久世は5月安値で底打ちして強基調へ転換
業務用食材卸の久世 <2708> (JQS)の株価は、5月23日の年初来安値611円から切り返しの展開となり、660円近辺での短期モミ合いを経て7月1日には689円まで上伸した。5月安値で底打ちを確認して強基調に転換した形だ。今期(15年3月期)の収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。
首都圏を中心にファーストフード・ファミレス・カフェ、居酒屋・パブ、ディナーレストラン・ホテル・会館、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングなど、外食・中食産業向けに業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンも主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造販売、久世フレッシュ・ワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。
中期経営計画では20年3月期売上高1000億円を目標に掲げ、「三大都市圏NO.1」「お客様満足度NO.1」企業を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中部圏での販路拡大、営業戦略と連動した物流体制の強化、独自性のあるPB商品の開発および拡販、海外事業の基盤確立などに取り組んでいる。
M&Aやアライアンス戦略も活用して販路拡大を推進している。12年6月には中部圏で酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携した。14年4月には水産物取引の強化を目的として、高級飲食店向けに強みを持つ水産物中卸会社の旭水産を完全子会社化した。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月12日公表)は売上高が前期比9.2%増の680億円、営業利益が同5.3倍の2億20百万円、経常利益が同67.6%増の4億円、純利益が同2.1倍の2億10百万円で、配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)としている。
売上面では、首都圏・関西圏・中部圏を中心とする販路拡大と新規顧客の開拓、既存顧客の底上げ(インストアシェアアップ)、そして独自性のある新商品の開発など営業強化策の効果で増収見込みだ。約57億円の増収のうち新規顧客開拓で約23億円を計画している。食品製造販売を行う子会社のキスコフーズや、4月に完全子会社化した旭水産も寄与する。
利益面では、商品仕入価格上昇や物流コストを意識した採算性重視の営業活動、商品仕入価格上昇に対する販売価格への転嫁、高付加価値商品の提案やPB商品拡販による粗利益率改善、物流の採算改善・精度向上・イレギュラー配送抑制、物流効率化に向けた新システム導入などの効果で、営業損益が大幅に改善する見込みだ。中国・成都の子会社も15年3月期には単年度黒字化の見込みとしている。
株価の動きを見ると、5月23日の年初来安値611円から切り返しの展開となった。そして650円~670円近辺での短期モミ合いを経て、7月1日には689円まで上伸した。5月安値で底打ちを確認して戻り歩調の展開だろう。
7月1日の終値686円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円14銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1235円43銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。さらに75日移動平均線突破の動きを強めている。また週足チャートで13週移動平均線を突破した。5月安値で底打ちを確認して強基調へ転換した形であり、今期の収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価は、5月23日の年初来安値611円から切り返しの展開となり、660円近辺での短期モミ合いを経て7月1日には689円まで上伸した。
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2014-07-02 13:45