日銀短観、景況感悪化なのに、なぜ株が上がる?=為替王

 日本全国の景況感を示す日銀短観が昨日発表されました。「景況感は悪化している」との報道が多かったと思いますが、日経平均株価は大幅に上昇しました。背景を解説いたします。 ■日銀短観とは?  日銀は短観(全国企業短期経済観測調査)を3カ月に1度発表します。業況が「良い」か「悪い」か企業にアンケートをとってまとめるだけの単純な指数なのですが、日本の景況感をかなり的確に反映していることが過去の検証でわかっており、海外の投資家やエコノミストらの注目度も非常に高いです。 ■今回は景況感悪化  6月に調査された今回の短観の結果は、大企業製造業(+17→+12)、大企業非製造業(+24→+19)ともに前回から5ポイント下がるなど、増税の影響・反動などで景況感が悪化していることがわかりました。景況感が悪化していることが確認されたにもかかわらず、昨日は株価が(日経平均株価も東証株価指数も)大幅に上昇しました。 ■なぜ株高?  背景は、増税の影響で景況感が悪化することは事前にわかっており、それより今回のポイントは、短観における先行き見通し。大企業製造業先行き見通し(+8→+15)、大企業非製造業先行き見通し(+13→+19)など、企業は増税前の3月よりも先行きに対してはむしろ楽観的な見方が広まっていることが明らかになりました。消費税増税を乗り越えて、日本の景気回復がさらに続くとの思惑などが株価上昇を後押ししたと考えられます。(執筆者:為替王)
日本全国の景況感を示す日銀短観が昨日発表されました。「景況感は悪化している」との報道が多かったと思いますが、日経平均株価は大幅に上昇しました。背景を解説いたします。
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2014-07-02 20:30