シンプロメンテは下値固め完了して出直り本格化
飲食店などに店舗設備・機器メンテナンスサービスを提供するシンプロメンテ <6086> (東マ)の株価は、1000円近辺で下値固めが完了して出直りの動きが本格化している。6月23日には1635円まで上伸した。目先的な過熱感で一旦は1350円まで反落したが、7月2日には1586円まで戻している。強基調への転換を確認した形であり、中期成長力を評価してIPO直後の高値圏(13年12月2490円)を目指す展開だろう。
99年10月創業で、13年12月東証マザーズ市場に新規上場した。大手飲食・小売チェーンを主要顧客として、店舗における内外装および各種設備・機器(厨房機器、給排水・衛生設備、空調・給排気・ダクト設備、電機設備、照明機器、ガス設備、看板、自動ドア・ガラス・鍵・シャッターなど)の不具合を解決するメンテナンスサービスを提供している。
事業区分としては、ワンストップメンテナンスサービスとメンテナンスアウトソーシングサービスを展開し、ワンストップメンテナンスサービスでは、各種設備・機器の突発的なトラブル発生時に対応する緊急メンテナンスサービスを主力として、各種設備・機器の点検・整備・洗浄・清掃を定期的に行う予防メンテナンスサービスも提供している。メンテナンスアウトソーシングサービスは、当社のメンテナンス体制を厨房機器メーカーにOEM的に提供することで、メーカー自社のメンテナンス対応力向上のサポートを行っている。
全国の店舗から24時間365日、修理・メンテナンスの依頼を受け付け、依頼の種類・地域・内容などに応じて、全国の協力業者(メンテキーパー)から適切な業者を選定・手配し、店舗の設備・機器等の不具合を解決するサービスが特徴だ。前期(14年2月期)末時点の顧客店舗数は前々期比8.4%増の2万8507店舗、メンテキーパー数は同5.1%増の4831社である。
今期(15年2月期)の業績(非連結)見通し(4月11日公表)は、売上高が前期比14.3%増の42億円、営業利益が同19.1%増の2億20百万円、経常利益が同23.3%増の2億20百万円、純利益が同20.3%増の1億24百万円で、配当予想は前期から記念配当5円を落として年間10円(期末一括)としている。
既存顧客に対する新たなアイテムの提供、サービスエリアの拡大、新規顧客の獲得などで、主力の飲食店向け緊急メンテナンスサービスで依頼件数が順調に増加する。増収効果で人件費増加などを吸収し、新規上場関連費用の一巡も寄与して増収増益見込みだ。
中期成長に向けた重点戦略としては、新規顧客開拓によるシェア拡大を目指している。ワンストップメンテナンスサービスでは、外食業界以外の小売・物販、理美容、教育、医療・介護、宿泊・娯楽などの業界にも新規顧客開拓を推進する方針だ。メンテナンスアウトソーシングサービスでは、サービスをOEM的に提供する企業の増加を目指すとともに、個人経営店舗向けの提供も視野に入れてシェア拡大を図る方針としている。
外食業界や小売業界などでは店舗の老朽化や人手不足の深刻化、店舗の衛生環境改善や従業員の労働環境改善に対する意識の高まりも背景として、メンテナンス業務のさらなるアウトソーシング化が進むと予想される。新規サービスの開発なども寄与して、中期的に収益拡大基調が期待されるだろう。
株価の動き(13年12月公開価格950円に対して初値2235円、上場来高値13年12月2490円)を見ると、3月安値940円を割り込むことなく、1000円近辺で下値固めが完了して出直り展開となった。6月中旬以降は上げ足を速めて6月23日には1635円まで上伸した。目先的な過熱感で一旦は6月27日の1350円まで反落したが、7月2日には1586円まで戻している。再動意の構えのようだ。
7月2日の終値1560円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS71円87銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS454円80銭で算出)は3.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなり、週足チャートで見ると26週移動平均線を一気に突破して強基調への転換を確認した形だ。出直りの動きが本格化してIPO直後の高値圏(13年12月2490円)を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲食店などに店舗設備・機器メンテナンスサービスを提供するシンプロメンテ<6086>(東マ)の株価は、1000円近辺で下値固めが完了して出直りの動きが本格化している。
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2014-07-03 09:00