【為替本日の注目点】米雇用統計受けドル全面高、NYダウ大台乗せもドル円小動き
NY市場
米6月の雇用統計で、雇用者数が大幅に増加していたことでドル円は102円台を回復し、一時102円27銭までドル高が進む。年後半の景気拡大期待と株高に支えられ、指標発表後はもみ合いになったものの102円20銭前後で引ける。
ECBが政策変更を見送ったことと、ドル高が進んだことでユーロドルは1.36台半ばから一時1.36台割れまで下落。
株式市場は雇用統計の結果を受け続伸。ダウは連日の高値更新で初の1万7000ドル台を示現。他の主要株価指数も軒並み続伸。
債券相場は続落。良好な雇用統計に反応し、長期金利は一時2ヶ月振りとなる2.68%台まで上昇した後、2.64%まで低下して取引を終える。
ドルが買い戻されたことで金は続落。原油も6日続落。
米 5月貿易収支 → 444億ドルの赤字
米 6月非農業部門雇用者数 → 28.8万人
米 6月失業率 → 6.1%
米 新規失業保険申請件数 → 31.5万件
米 6月ISM非製造業景況指数 → 56.0
ドル/円 101.88~ 102.27
ユーロ/ドル 1.3596 ~ 1.3653
ユーロ/円 138.84 ~ 139.23
NYダウ +92.02 → 17,068.26ドル
GOLD -10.30→ 1,320.60ドル
WTI -0.42 → 104.06ドル
米10年国債 +0.013 → 2.641%
本日の注目イベント
米 NY市場休場(独立記念日)
ドル円が102円台を回復し、その後も102円台を維持するにはまだ時間がかかると予想していましたが、前日のADP雇用者数に続き、6月の雇用統計でも非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る28.8万人だったことで、ドル円は102円台を簡単に回復しています。
昨日の雇用統計では、雇用者数は6月分の大幅な伸びに加え、5月分も21.7万人から22.4万人に、4月分も28.7万人から30.4万人にいずれも上方修正されました。6月の失業率も6.1%と、こちらも前月から0.2ポイントの改善で、5%台も視野に入ってきています。雇用の拡大は「消費大国」の米国にとっては極めて重要で、年後半の景気拡大に一層の期待感が台頭してきたと考えられます。重要なのは、この雇用増加がFRBの利上のタイミングを前倒しさせる効果があるかどうかということです。
ドル円が102円台前半まで買い戻されたのは、昨日に限って言えば、株価の上昇による部分が大きかったと思われます。現に、米国の長期金利は上昇したものの、2.64%台で引けており、雇用者増の割には大幅な上昇には至っていません。ドル円が102円台前半から伸び悩んだのも、長期金利の動向に左右された面もあります。また低下傾向が続くドル円のボラティリティーも、最も為替に影響があり、最も重要な経済指標が発表されたにもかかわらず、足許では5.51%台と大きな変化は見せていません。引き続きドル円が小動きで推移するという予想が支配的だということになります。
問題はここからです。これまでも102円30銭前後は一つのレジスタンスと見られていました。実際昨日の動きでもこの水準を上抜けしてはいません。注目の「200日線」は上抜けており、現在は「雲」の中にある「120日線」に抑えられている格好です。ここを上抜けし、その上の「雲」を抜けるには102円50銭を上回る必要があります。ここをしっかり抜くことができれば、今度は103円を試す展開が見えてきます。ただ、103円台は4月8日以来届いていません。それにはやはりFRBによる利上げ観測が早まり、長期金利が2.8%から3.0%程度まで上昇することが不可欠です。
雇用統計を受けて昨日はドル全面高でした。豪ドルも0.94台半ばから0.93台半ばまで下落し、ユーロドルも1.37台はやはり重いということが確認されました。ダウ平均株価は史上初の1万7000ドル台に乗せてきました。日米欧の中央銀行が大量に資金供給をしていることが株高の一因とも見られており、PER(株価収益率)は既に割高だという見方もあります。今朝のNYからの中継でも、1万7000ドル乗せは喜ばしいことである反面、いつか下落することもあり、注意を促す報道もありました。本日の予想レンジは101円80銭~102円70銭程度と予想します。NYダウの大台乗せで、日経平均株価も1万5500円の大台乗せがあるかどうか、注目しています。
サッカーワールドカップも興味が失せ、個人的には「拉致問題」に興味が移っています。生存している拉致被害者の名前は2桁との報道もあり、どんな名前が出てくるのか、もうすぐ判明しそうです。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米6月の雇用統計で、雇用者数が大幅に増加していたことでドル円は102円台を回復し、一時102円27銭までドル高が進む。年後半の景気拡大期待と株高に支えられ、指標発表後はもみ合いになったものの102円20銭前後で引ける。
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2014-07-04 10:00