高純度チタン、中国企業が製造に成功 「軍事とハイテク産業に貢献」=中国メディア

 中国メディアの寧波日報は2日、浙江省寧波市の寧波創潤新材料有限公司が超高純度チタンの製造に成功したと伝え、「超高純度チタンの供給における先進国の独占を打ち破った」と報じた。  記事はチタンについて、「質量が小さいながらも強度が高く、耐食性のある金属」と紹介。さらに、チタンは航空機や宇宙産業において必要不可欠な物質であり、国防や国家安全保障にとっても重要な価値があると論じた。  中国の2013年におけるスポンジチタン生産量は約12万トンに達したが、スポンジチタンは付加価値が低いうえに、中国は生産能力の過剰という問題を抱えている。また、スポンジチタンより付加価値の高い高純度チタンの分野では中国には競争力がなく、産業として「空白状態」になっていたという。  記事は、「現時点で米国と日本の3つの企業だけが製造できる超高純度チタンは極めて付加価値の高い材料であり、米国は中国への輸出を厳しく制限している」と紹介。一方で寧波創潤新材料有限公司が超高純度チタンの製造に成功したことで、付加価値の高い高純度チタンの分野における中国の「空白」を埋めることになると期待を示した。  さらに、超高純度チタンの製造にかかわる設備などは「自主設計」であり、「完全なる知的財産権を持つ」と伝え、すでに特許も申請済みだと紹介。  また、製造プロジェクトを率いた呉景暉博士の発言として、「寧波創潤新材料有限公司は中国航天科工三院といった国の機関と提携する方針」と伝え、中国の軍事や航空、医療機器などハイテク企業の高付加価値化に貢献するだろうと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの寧波日報は2日、浙江省寧波市の寧波創潤新材料有限公司が超高純度チタンの製造に成功したと伝え、「超高純度チタンの供給における先進国の独占を打ち破った」と報じた。(イメージ写真提供:123RF)
china,technology,economic
2014-07-04 13:30