今週の為替相場見通し(2014年7月7日-)=為替王
先週は、アメリカ雇用統計で非常に良好な数値(失業率は6.1%に低下、非農業部門雇用者数は28.8万人増加)が出て、アメリカ経済が力強く成長していることが確認されました。しかしながら、米ドルはあまり上昇せず、米ドル円は1ドル=102円台を回復した程度でした。
米ドル円の今後のポイントは上方向が102円台、下方向は101円台。今年上半期は、上下5円(100円~105円台)の非常に狭い範囲での異例のレンジ相場が続いてきました。この3カ月近くはさらにレンジが狭まって、上下わずか2円(101円~102円台)しか動いていません。このレンジの上限および下限が、今後の米ドル円の行方を左右するポイントとして注目されます。今月もしも102円台を超えてしっかり103円に乗ってくれば、雰囲気はだいぶ変わって、一段の円安の期待がぐんと高まります。
しかし一方で、下方は101円台(もっと厳密に言えば101円台前半)が重要なサポート帯として作用しており、そのサポート帯を下抜けるような展開になりますと、やや大きめの円高調整局面に入ることが避けられなくなると考えます。その際、現行水準からざっと10円くらいは調整する(円高になる)ことが想定されます。アメリカ経済が順調に成長していますし、利上げの可能性についても今後ますます話題になるでしょうから(現時点で、来年には利上げする見込み)、なかなか米ドルが急落するシナリオは、経済ファンダメンタルズの観点では考えにくいかもしれませんが、チャート分析の観点では、上記のような展開(重要なサポート帯を下抜けた場合の円高加速)が十分に考えられることは意識しておきたいです。
豪ドル円は先週96円を超えて上昇し、もうひと伸びすることを期待していましたが、豪州中銀総裁が口先介入(豪ドルが大幅に下落する可能性を投資家は過小評価しているとの発言)したことを受けて、また95円台まで戻ってきました。今週のポイントは95円台半ばの水準。そこが重要なサポート帯となっており、それより上の水準をキープしている限り問題ないのですが、もし割り込んだ場合は、やや大きめの下落(具体的には93円近くを目指す動き)に発展する可能性が高まると考えます。豪ドル相場を動かす経済指標としては、木曜日発表予定の、豪州雇用統計が非常に注目されます。前回は5カ月ぶりに雇用者数が減少してしまいました。今回は増加することが見込まれていますが、予想ほど増加していない場合、豪ドル下落のきっかけになるかもしれません。(執筆者:為替王)
先週は、アメリカ雇用統計で非常に良好な数値(失業率は6.1%に低下、非農業部門雇用者数は28.8万人増加)が出て、アメリカ経済が力強く成長していることが確認されました。しかしながら、米ドルはあまり上昇せず、米ドル円は1ドル=102円台を回復した程度でした。
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2014-07-07 07:15