【為替本日の注目点】米金利上昇しない原因は「金余り」株高、債券高が同時進行

 欧州市場  NY市場は独立記念日のため休場   ドル/円 102.08~ 102.10  ユーロ/ドル 1.3585 ~ 1.3601  ユーロ/円 138.59 ~ 138.82  NYダウ  ---- → 17,068.26ドル  GOLD ---- → 1,320.60ドル  WTI  ----  → 104.06ドル  米10年国債  ----  → 2.641%  本日の注目イベント  日   日銀支店長会議   日   5月景気動向指数   独   独5月鉱工業生産   先週末のNY市場は休場でしたが、今週は良好な雇用統計を受けてドルがどこまで買い戻されるかが焦点になりそうです。6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る28万8000人でした。今年は1月を除いて、これで5ヶ月連続でFRBがメドとする「20万人の大台」を超えています。  ドル円は102円台を回復したものの、先週末の東京市場では寄り付きこそ102円20銭台でしたが、その後は緩やかに円が買われる展開で、102円台は維持したもののドルの上値が重いという印象が拭い切れません。NYダウが1万7000ドルの大台を回復し、「リスクオン」の流れに傾いてきたにもかかわらず、ドル買い円売りが加速してきません。  これはやはり、米長期金利が上昇して来ないことが大きな要因と見られます。そして、米長期金利が上昇しない原因は「金余り」と無為関係ではありません。日欧の中銀が大規模な緩和策を継続していますが、FRBでもテーパリングが進んでいるとはいえ、今でも毎月350億ドル(約3兆5700億円)の資金供給を行っているという事実があります。  余った資金は株式市場に流れ込んでいますが、同時に債券市場にも向かっていると思われます。米債券市場は世界最大の市場です。大量の資金を吸収する市場としては他にありません。株高、債券高が同時に進んでいる背景には、こうした市場の規模と、いつでも現金に換金できる流動性も兼ね備えている「米債券市場」は無視できない存在です。余ったお金の「受け皿」として、米債券市場が機能していると言えそうです。  ドル円は現在一目均衡表の「雲」の中を上昇中です。「120日線」が102円22銭近辺にあり、さらにその上には「雲の上限」があり、ここを完全に上抜けするには102円の半ばを超える必要があります。今週の焦点は、この水準を抜けるかどうかという点ですが、上抜けに失敗すれば再び102円を挟む展開になることが考えられます。  仮に上抜けに成功すれば、一段と「リスクオン」が強まり円が全面安になる展開もあるかもしれません。ただ、そのためにはFRBによる政策金利引き上げが早まるとの見方が高まる必要があります。そして、先週の雇用統計のような「サプライズ」が、さらに数ヶ月続くことが望まれます。本日のレンジは101円80銭~102円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
先週末のNY市場は休場でしたが、今週は良好な雇用統計を受けてドルがどこまで買い戻されるかが焦点になりそうです。6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る28万8000人でした。今年は1月を除いて、これで5ヶ月連続でFRBがメドとする「20万人の大台」を超えています。
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2014-07-07 09:15