JSPはフシ突破して高値更新の展開
発泡プラスチック製品のJSP <7942> の株価は、6月10日に1月の1669円、そして13年5月の高値1706円を一気に突破した。さらに6月20日には1920円まで上値を伸ばした。足元は利益確定売りで1800円台前半に反落しているが、フシを突破して強基調に転換した形のようだ。好業績や割安感を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。
押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。
14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。また14年10月には中国で重慶工場の稼働を予定している。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月30日公表)は、売上高が前期比4.3%増の1170億円、営業利益が同20.2%増の71億円、経常利益が同10.6%増の72億円、純利益が同11.3%増の49億円で、配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。
国内では円安定着による輸出産業の回復、震災復興需要、20年東京夏季五輪に向けた公共事業増加なども背景として、衝撃緩衝材を中心とした自動車部品、タブレット型端末など多機能電子機器の包装材、高断熱材を中心に需要が好調に推移する。特に自動車関連の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の好調が牽引し、原燃料価格上昇に伴う一部製品の製品価格是正効果なども寄与する。想定為替レートは1米ドル=100円、1ユーロ=130円としている。
主要セグメントの計画を見ると、押出事業は住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」の需要拡大などで売上高が同1.7%増の402億95百万円、営業利益が同5.9%増の20億39百万円、ビーズ事業は「ピーブロック」の自動車向け好調、発泡ポリプロピレン「スチロダイア」の建築土木関連への拡販などで、売上高が同2.8%増の689億34百万円、営業利益が同26.0%増の57億28百万円としている。
株価の動きを見ると、2月安値1422円から切り返しの展開となり、6月10日に1718円まで上伸して1月の年初来高値1669円、そして13年5月の高値1706円を一気に突破した。さらに上げ足を速めて6月20日には1920円まで上値を伸ばした。足元は利益確定売りで1800円台前半まで一旦反落しているが、自律調整の範囲で好業績を評価する流れに変化はないだろう。
7月4日の終値1840円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円35銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、1700円近辺のフシを突破して強基調に転換した形であり、13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
発泡プラスチック製品のJSPの株価は、6月10日に1月の1669円、そして13年5月の高値1706円を一気に突破した。さらに6月20日には1920円まで上値を伸ばした。
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2014-07-07 09:30