イーピーミントは出直りの動き継続して年初来高値に面合わせ
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント <6052> (JQS)の株価は出直りの動きが続いている。6月20日には1529円まで上伸して1月の年初来高値に面合わせの場面があった。その後一旦反落したが大きく下押す動きは見られず、足元は再動意のタイミングのようだ。今期(14年9月期)の大幅増益見通しや、9月期末一括で2%台の配当利回りを支援材料として上値を試す展開だろう。なお7月31日に第3四半期累計(10月~6月)の業績発表を予定している
イーピーエス <4282> の連結子会社で、臨床試験を実施する医療機関向けサイトサポート業務(治験事務局運営管理)やCRC(臨床試験実施をサポートする治験コーディネーター)業務などのSMO事業を主力として、臨床研究なども展開している。がん・循環器系・脳神経外科などの高難易度領域に強みを持ち、全国展開によるネットワークで前期(13年9月期)末の契約医療施設数は約2500施設に達している。
重点戦略としては、大病院など優良医療機関との提携拡大や新規開拓、治験体制の整備、がん領域の拡大、プロジェクト管理体制の強化と生産性向上、臨床研究への取り組み強化と受託拡大を強化している。M&A・アライアンス戦略では、13年3月に綜合臨床サイエンスと業務提携して、地域・疾患領域・提携医療機関の種類などで補完体制を構築している。
今期(14年9月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(13年11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.0%増の65億円、営業利益が同2.2倍の9億円、経常利益が同2.2倍の9億08百万円、そして純利益が同2.4倍の5億63百万円としている。配当予想は13年10月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に同7円50銭増配の年間35円(期末一括)としている。
受注高の計画は同18.4%増の70億46百万円で、期末の受注残高は同6.9%増の84億15百万円となる見込みだ。優良医療機関との提携拡大などの施策も奏功して受注は高難易度領域が堅調であり、前期低調だった生活習慣病領域も回復傾向を強めている。利益面では増収効果に加えて、プロジェクト管理体制強化、人員配置効率化、稼働率上昇、生産性向上などが寄与して、売上総利益率の大幅改善が営業利益押し上げ要因となる。
第2四半期累計(10月~3月)は前年同期比13.1%増収、同8.4倍営業増益、同8.4倍経常増益、同15.7倍最終増益の大幅増収増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が48.8%、営業利益が53.2%、経常利益が53.2%、純利益が49.9%と概ね順調な水準だった。第3四半期(4月~6月)以降も売上総利益率の改善が継続し、今期営業利益上振れの可能性があるだろう。
SMO市場は拡大基調であり、当社を含むSMO大手3社による寡占化進展という良好な事業環境を背景として、親会社イーピーエスおよびグループ各社との連携も強化しながら、中期目標値として18年9月期の売上高80億円~100億円を掲げている。収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、2月17日の年初来安値1235円を直近ボトムとして出直りの動きが続いている。そして6月20日には1529円まで上伸して1月の年初来高値に面合わせの場面があった。その後は利益確定売りで、6月27日に1451円まで反落する場面があったが、大きく下押す動きは見られず概ね1500円近辺で推移している。今期好業績見通しを評価する動きだろう。
7月4日の終値1483円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS146円56銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は2.4%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS922円84銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると、上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して再動意のタイミングのようだ。9月期末一括で2%台の配当利回りも支援材料であり、上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント<6052>(JQS)の株価は出直りの動きが続いている。
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2014-07-07 09:30