【忠田公夫の経済&マーケッチ展望】5年4ヵ月間にわたるNYダウ上昇相場がさらに継続するかどうか

■7月下旬から8月上旬の米マクロ統計の中身が重要   6月9日付で「6月5日にECBが追加金融緩和に踏み切ったほか、5月の米雇用統計も着実な改善を示し‥‥(中略)‥‥グローバル・マーケットはリスク選好の局面入りを示唆している」とした。   その後、7月3日にはNYダウが史上初の1万7000ドル台に、ドイツDAXも1万0029ポイントと高値をつけ、翌4日には日経平均もザラ場で1万5490円の戻り高値を5ヵ月ぶりにマークするに至った。   今後のグローバル市場の先行きを左右するのは引き続き米国経済の動向だと見ている。7月30日発表予定の4~6月期のGDP成長率の中身が相当大きなカギを握るのではないだろうか。これまでのリスクオン局面に黄信号が点滅するとすれば、個人消費や民間設備投資に強目の数値が出て、かつインフレ率の上昇を示すデータが重なった場合、にわかに来年4月~6月辺りの利上げ前倒し観測が台頭しかねない。ただイエレンFRB議長の持論は「労働市場は量的に改善方向にあるが、企業が求めるスキルと労働者が持つスキルが一致しない雇用のミスマッチや労働賃金の伸びなど、質的な改善は道半ばで、引き続き緩和的な状況が望ましい」というものだ。次回の雇用統計(8月1日発表)では、平均時給(今回は24.45ドルで前月比0.2%増、前年比2.0%増とほぼ予想通り)の伸びに注目が集まることになろう。   米主要企業の増益率は7~9月期が前年同期比11%、10~12月期は12%超の増益が予想されており、業種別で最も増益率が高いと見られる半導体や半導体製造装置関連株が市場をけん引している。SOX指数も新高値を更新中だ。   金融緩和の長期化観測と堅調な企業業績を背景に、5年4ヵ月間にわたる上昇相場がさらに継続するのかどうか、7月下旬から8月上旬の米マクロ統計の中身の変化を虚心坦懐に見守りたい。(アナリスト忠田公夫)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
6月9日付で「6月5日にECBが追加金融緩和に踏み切ったほか、5月の米雇用統計も着実な改善を示し‥‥(中略)‥‥グローバル・マーケットはリスク選好の局面入りを示唆している」とした。
economic
2014-07-07 09:45