白鳩はIPO人気一巡後の調整が完了して切り返し

  日本最大級のインナーウェアのネット通販事業を展開する白鳩 <3192> (JQS)(14年4月新規上場)の株価は、6月20日に安値476円を付けたが翌6月23日には609円まで急伸した。その後一旦は500円近辺まで調整したが7月7日には578円まで急伸している。500円近辺でIPO人気一巡後の調整が完了して切り返す展開だ。中期成長力を評価して高値圏を目指す流れだろう。   1965年創業、1974年会社設立で、靴下のカタログ通販やインナーウェアの実店舗販売を経て、1995年にオンラインショッピングサイトの自社本店サイトをオープンして、インナーウェアのネット通販にシフトした。現在は、女性用を中心としたインナーウェアのオンラインショッピングサイト「京都発インナーショップ白鳩」の運営を主力に、アンテナショップとして実店舗のJR京都駅南口アバンティB1インナーショップ「Shirohato」も運営している。   オンラインショップは、国内では下着・ランジェリー総合情報サイト「ランジェ」およびオンラインショップ白鳩本店のほか、楽天市場レディース、楽天市場メンズ、Yahoo!ショッピング、Amazon、DeNAショッピング、Qoo10、NTTドコモ携帯公式サイトなどのショッピングモールに出店している。また海外では、オンラインショップ白鳩本店(グローバル店)に加えて、中国・天猫国際(Tモールグローバル)、楽天インドネシア、楽天シンガポールにオンライン出店している。   インナーウェア専門店としての品揃えが強みだ。14年2月現在の取扱アイテム数は、国内「ワコール」「トリンプ」や海外「エンポリオアルマーニ」「モードマリー」などに加えて、自社オリジナルブランド「COMUSE」「ContRante」など合計80ブランド、約1万1000品番に達している。さらなる品揃え充実や他社との差別化に向けて、国内外の高級ブランドや注目ブランドとの新規取引を開拓するとともに、自社オリジナルブランドやメーカーとのコラボレーションブランドの開発も強化している。   また自社開発の基幹業務システム「楽らく通販システム」と、本社に併設した配送センターで、商品登録・撮影・画像制作、商品発注・仕入・在庫管理、サイト在庫連携、受注・出荷・売上、顧客管理・顧客対応・売掛管理などの業務を自社ワンストップ体制で運営していることも特徴だ。さらなる業務の正確性の確保、効率化・迅速性の向上を推進している。   顧客会員の獲得についてはリピート率の向上に注力している。前期(13年8月期)の会員数は前々期比7.6%増の50万9600人、リピート顧客数(1年間に2回以上購入)は同29.5%増の8万5354人、1度購入顧客数は同23.5%増の32万1265人で、リピート率は同0.8ポイント上昇して21.0%となった。   今期(14年8月期)の業績(非連結)見通し(4月23日公表)は売上高が前期比19.7%増の35億35百万円、営業利益が同31.2%増の1億63百万円、経常利益が同27.6%増の1億50百万円、そして純利益が同35.3%増の92百万円としている。品揃えの拡充や自社ロジスティックの精緻化などの効果も寄与して会員数が増加する。リピート率も向上して増収増益の見込みだ。なお配当予想については未定としている。   第2四半期累計(13年9月~14年2月)は売上高が17億06百万円、営業利益が80百万円、経常利益が70百万円、純利益が39百万円となり、通期見通しに対する進捗率は概ね順調な水準だった。販売は順調であり、通期ベースでも上場関連費用などを吸収して好業績が期待される。   インナーウェアの国内関連市場は約1.5兆円規模で、伸び率は低いが安定的に推移している。シーズンごとの流行変化の影響が比較的小さいうえに、天候不順などの影響も受けにくい。定番商品がロングセラー化しやすいことも特徴だ。そして実店舗の市場は成熟感を強めているが、購買者のネット通販へのシフトが当社にとって追い風となる。中期的には年率20%増収および売上高営業利益率10%以上を目指している。収益拡大基調だろう。   株価の動き(14年4月23日公開価格520円に対して初値760円、高値4月23日770円)を見ると、6月20日に安値476円を付ける場面があったが、翌6月23日にはストップ高水準となる609円まで急伸した。その後一旦は500円近辺まで調整したが、7月7日には578円まで急伸している。概ね500円近辺でIPO人気一巡後の調整が完了し、中期成長力を見直す動きだろう。   7月7日の終値570円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS27円12銭で算出)は21倍近辺である。日足チャートで見ると7月7日に25日移動平均線近辺から急伸してサポートライン確認の形となった。底値圏モミ合いから上放れの動きのようだ。中期成長力を評価してIPO直後の高値圏を目指す流れだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日本最大級のインナーウェアのネット通販事業を展開する白鳩<3192>(JQS)(14年4月新規上場)の株価は、6月20日に安値476円を付けたが翌6月23日には609円まで急伸した。
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2014-07-08 09:15