きちりは一旦反落だが短期調整一巡感、出直りの流れに変化なし

  飲食店チェーン事業と飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり <3082> の株価は、3月直近安値412円から出直り展開となり、6月16日に563円まで戻した。その後は利益確定売りなどで一旦反落したが、7月8日には500円近辺から切り返して短期調整一巡感を強めている。中期成長力を評価して出直りの流れに変化はなく、反発のタイミングだろう。   カジュアルダイニング「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」を主力業態とする直営店の自社ブランド展開事業、および飲食店運営プラットフォーム提供や飲食店受託運営などで他業種企業のブランド・コンテンツを活用するプラットフォームシェアリング事業を展開している。   自社ブランド展開事業は、13年12月末時点で直営71店舗(関西エリア44店舗、関東エリア27店舗)を展開し、新業態開発にも取り組みながら出店余地の大きい首都圏への新規出店戦略を強化している。14年3月には新業態「igu&peace」を出店した。   プラットフォームシェアリング事業は、当社が他の飲食店チェーンなどに労務管理・会計・調達・1次加工・配送・取引先紹介などの本部機能を提供するクラウドサービス展開型、および優れたブランド・コンテンツを持つ企業と業務提携し、当社のプラットフォームを活用して新しいレストランビジネスを創造するブランド・コンテンツ活用型を展開している。   クラウドサービス展開型では参画企業・店舗数の増加に伴ってスケールメリットを享受でき、ブランド・コンテンツ活用型では独自性ある業態を開発できるなどのメリットがある。そして13年2月に精米機トップメーカーで「ギャバライス」ブランドのサタケ、13年4月にイタリアのバッグブランド「オロビアンコ」、13年5月に福岡県「はかた地どり」生産者の農業組合法人福栄組合と業務提携している。   前期(14年6月期)の業績(非連結)見通し(1月24日に減額修正)については、売上高が前々期比14.1%増の71億円、営業利益が同4.5%減の5億40百万円、経常利益が同4.2%減の5億80百万円、純利益が同1.1%増の3億48百万円としている。配当予想(5月9日に増額修正)は年間10円(期末一括=普通配当7円50銭+東証1部市場指定記念配当2円50銭)で、株式分割を考慮すると前々期との比較で実質的に2円50銭増配となる。   天候不順なども影響して既存店売上高がやや低調となり、新規出店の先行投資負担も影響して営業減益の見込みだ。しかし売上面では自社ブランド展開事業での新規出店効果や、プラットフォームシェアリング事業の拡大などで2桁増収見込みだ。また原材料価格が高騰する状況下でも、食材調達の工夫などで売上総利益率は前期と同水準を維持するようだ。今期(15年6月期)は積極的な新規出店効果などが寄与して収益拡大が期待される。   中長期ビジョンでは、自社ブランド展開事業およびプラットフォームシェアリング事業を2本柱として展開し、目標値として18年6月期売上高100億円、営業利益15億円、経常利益16億円、純利益10億円、配当性向30%(当面は20%)を掲げている。事業別には自社ブランド展開事業が100店舗で売上高94億円、プラットフォームシェアリング事業が契約店舗数500店舗(契約売上規模300億円)で営業利益6億円を目標としている。   株価の動き(13年7月1日付で株式3分割、14年1月1日付で株式2分割、14年5月8日付けで東証1部市場指定替え)を見ると、3月の直近安値412円から出直り展開となり、6月16日に563円、6月24日に562円まで戻した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、7月8日には500円近辺から切り返して短期調整一巡感を強めている。   7月8日の終値517円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想EPS34円28銭で算出)は15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期第3四半期末BPS151円04銭で算出)は3.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発してサポートラインの形だ。中期成長力を評価して出直りの流れに変化はなく、反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲食店チェーン事業と飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり<3082>(東1)の株価は、3月直近安値412円から出直り展開となり、6月16日に563円まで戻した。
economic
2014-07-09 09:00