アスカネットは6月戻り高値圏から反落したが、下値切り上げの流れを継続
写真加工関連のアスカネット <2438> (東マ)の株価は、6月5日の戻り高値6860円から反落し、今期(15年4月期)減益見通しも嫌気する形で6月27日の4640円まで調整した。ただし4700円~5000円近辺では下げ渋りの動きを強めている。下値を切り上げる流れを継続しており、調整が一巡して反発のタイミングだろう。空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレート事業の本格量産化への期待感も強い。
葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくく安定収益源となっていることが特徴だ。
13年10月には、びわこオペレーションセンター(滋賀県大津市)を開設した。広島、幕張に次ぐ第3のオペレーション拠点で、将来的には規模を拡大して関西での拠点とする方針だ。
新規事業では空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートの本格量産化を目指している。13年10月開催の「CEATEC JAPAN 2013」では、新ディスプレー「AIプレート」がキーテクノロジ部門で準グランプリを受賞した。現状は試作品を販売してプレ量産も可能だが、低価格化と大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立を最優先課題としている。また独自技術を強固にするため特許申請も進めている。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して、本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。
前期(14年4月期)の業績(非連結)は、売上高が前々期比5.2%増の47億67百万円、営業利益が同9.4%増の7億18百万円、経常利益が同9.3%増の7億26百万円、そして純利益が同9.6%増の4億45百万円だった。パーソナルパブリッシングサービス事業での生産効率向上、前々期に増加した販促費の通常化などが寄与して、利益はいずれも計画を上回った。配当は同3円増配の年間32円(期末一括)とした。
セグメント別の動向を見ると、メモリアルデザインサービス事業は売上高が同6.1%増の22億33百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同0.8%増の7億39百万円だった。びわこオペレーションセンター開設に伴って費用が増加したが、売上面では写真加工サービス、ハード機器、サプライ品とも好調に推移した。
パーソナルパブリッシングサービス事業は、売上高が同4.0%増の25億04百万円、営業利益が同36.3%増の4億97百万円だった。国内プロフェッショナル写真市場で「ZENレイフラット」や「オンデマウント」が好調に推移し、生産性の向上や販促費の通常化も寄与した。エアリアルイメージング事業は試作品の販売が増加して売上高が29百万円、営業利益が80百万円の赤字だった。
今期(15年4月期)の業績(非連結)見通し(6月10日公表)については、売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、そして純利益が同2.6%減の4億34百万円で、配当予想は前期と同額の年間32円(期末一括)としている。
第3四半期(11月~1月)にリリース予定の新サービス(インターネットを活用したBtoC新サービス)に関して、広告宣伝やシステム償却など先行費用が発生するため減益見込みとしている。ただし売上面では3事業とも堅調に推移して増収の見込みだ。
セグメント別売上高の計画はメモリアルデザインサービス事業が同3.1%増の23億03百万円、パーソナルパブリッシングサービス事業が同4.2%増の26億09百万円、エアリアルイメージング事業が量産品販売を見込まず試作品販売で62百万円、新規事業のBtoC新サービス(純額手数料収入)が10百万円としている。会社見通しは保守的な印象も強く、上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、6月5日の戻り高値6860円から反落し、今期減益見通しも嫌気する形となって6月27日の4640円まで調整した。ただし足元は4700円~5000円近辺で下げ渋りの動きを強めている。
7月8日の終値4755円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS103円66銭で算出)は46倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は0.7%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS879円50銭で算出)は5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。3月安値3255円、5月安値3735円、6月安値4640円と下値を切り上げる形であり、調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、6月5日の戻り高値6860円から反落し、今期(15年4月期)減益見通しも嫌気する形で6月27日の4640円まで調整した。
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2014-07-09 09:00