【為替本日の注目点】米株大幅下落でドル円下値を探る、NY株の大幅調整には注意
NY市場
ドル円は前日と同じように株安と長期金利の低下を受け続落。一時101円48銭までドル安が進み、再び「200日線」を下回った。
ユーロドルは値動きが小幅な中、ドル安の流れを受け1.35台後半から1.36台前半まで買われたが、もみ合いの域を出ず。
株式市場は大幅に続落。シティーグループのストラテジストが米国株の大幅な下落を示唆するななど、警戒感が高まりダウは117ドル安。
債券相場は続伸。株安などから安全資産の債券に買い物が集まり、長期金利は2.55%台まで低下。
金は3日続落し、原油も8営業日続落。
5月消費者信用残高 → 196億ドル
ドル/円 101.48~ 101.73
ユーロ/ドル 1.3589 ~ 1.3618
ユーロ/円 138.10 ~ 138.28
NYダウ -117.59 → 16,906.62ドル
GOLD -0.50 → 1,316.50ドル
WTI -0.1 3 → 103.40ドル
米10年国債 -0.055 → 2.559%
本日の注目イベント
中 中国 6月消費者物価指数
中 中国 6月生産者物価指数
米 FOMC議事録(6月17、18日分)
加 カナダ6月住宅着工件数
101円台後半で推移していたドル円は前日と同じような展開で続落しています。NY株式市場が大幅安となり、大台の1万7000ドルを割り込み、長期金利は2.6%台を下回りドル円は101円台半ばまで下落し、再び「200日線」を割り込んで来ました。
昨日は特に悪い経済指標が出たわけでもなく、欧州の株式市場が下落したことで地合いが悪化し、さらにシティーグループのストラテジストなどが米国株の「深刻な」反落が警戒されていると指摘したことなどで、主要な株価指数は軒並み下落しました。ただ、株式市場終了後に発表されたアルミ大手のアルコアの第2四半期決算は市場予想を上回ったことから、明日の株式市場には好影響を与えそうです。
ドル円は1週間ぶりに「200日線」を下回る水準まで売られて来ました。先週2日にこの重要な移動平均線を上回り、「調整」も短期間で終えたように見られましたが、再びこの線を下回ったきたことで上値が重くなることが予想されます。ドル円の上値は「120日線」で抑えられ、再度下値を試す展開になりそうです。
先週、雇用統計の上振れで102円27銭までドルが上昇しましたが、結局ここがドルの最高値でその後反落したことになります。偶然だとは思いますが、これで2月7日の雇用統計発表直後から今月まで、5ヶ月連続で雇用統計発表前後がドルの最高値になっています。しかも、5回とも非農業部門雇用者数は事前予想よりも実際の数字は上回っています。
雇用者数が上振れしたにもかかわらず、その直後からドルが売られる展開は、やはりドルの上値が重いと考えることができるかもしれません。雇用者数の増加は米景気の拡大を意味しますが、その割には長期金利が上昇しないことが背景にあります。今後NY株式市場が大幅な調整に入ったとしたら、長期金利はさらに低下するはずです。ドルの下落には注意が必要かと思います。
ドル円はNYの流れを受け下値を探る展開が予想されますが、サポートは6月30日の安値である101円24銭あたりかと思います。101円を割り込むようだと、約1ヶ月半振りの水準になることから、再び今年のドルの最安値であり、重要なサポートでもある、100円75-80銭が意識されることになります。引き続き日本株の動きにも注意し、本日のレンジは101円20銭~102円程度を予想したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は前日と同じように株安と長期金利の低下を受け続落。一時101円48銭までドル安が進み、再び「200日線」を下回った。
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2014-07-09 09:30