中国人女性の「おせっかい」に救われた中国列車移動

日本経営管理教育協会が見る中国 第314回--廣井正義(日本経営管理教育協会会員) ● 北京~天津 列車移動   現在、北京~天津間は中国版新幹線“動車組”が走っている。北京~天津間のおよそ100kmを30分ほどで結ぶ高速列車だ。最高時速は300km、専用軌道を使って、北京南駅から天津駅までほぼ一直線で結んでいるのだ。これは何段階か踏んで今のようになった。というのも、以前は北京~天津間は、オール2階建てのディーゼル列車が一般軌道(在来線)を走っていたのだ。それが2008年に開催された北京オリンピックのために、北京側では北京南駅が新たに建設され、一方天津駅は一時駅を閉鎖して作り変えられたのだ。そのため、その間、天津北駅という超ローカル駅が天津駅の代わりに運用されていた。 ● 古い駅舎に古いシステム   その天津北駅は、かなり古かった。待合室は結構広くて椅子もたくさん並んでいたが、いつ行っても人だらけ、多くの人がいろいろな方面に移動するために列車を待っていた。待合室にはエアコンなどなく、ものすごく蒸し暑かった。売店で水を買ってのどを潤しながら、ただひたすら北京行の列車をごった返す待合室で待っていた。そのころは私もまだ出張で中国に行っていたころなので、中国語もあまり上手ではなく、アナウンスもなかなかうまく聞き取れない。しかもそのアナウンスは駅構内で反響するので、とても聞きづらかった。 ● 改札がスタートするも・・・   時間が近くなってきて、我々も改札の近くに移動して待つことにした。中国の場合、発車のほんの少し前に改札が始まり、発車時間の少し前には終わってしまう。日本の昭和40年代も確かそのような運用だった記憶がある。しかしこの天津北駅、電光掲示板やパネルなどなく、改札が始まるときには改札のすぐ横にある小さい黒板に列車番号が殴り書きされるのだ。しかし、それも古い黒板に書いてあるため、近くに行かないとはっきり読み取れない代物だった。   そんな待合室で待っていると、すぐ前に座っていた中国人の女性が声をかけてくれた。“その列車、改札が始まっているよ。改札口はあそこ”といって、指をさして教えてくれたのだ。 ● 中国人の優しさに感激   実は私の切符は、彼女からよく見えるようにたまたま私がそのように持っていたのだ。その方にお礼を言って、我々も無事北京行の列車に乗り込んだ。日本と違い、乗り遅れると少々厄介なのだ。というのも、中国ではほぼすべての列車はすべて座席指定で、自由席というものはない。立ち席切符というのもあるのだが、つまりは切符がないと席はないのだ。なので、乗り遅れると次の列車は立ち席だ。   そんなほんの一言でも、中国人の優しさが伝わってくる。はたして日本では、こんな場合、日本人の誰かが声をかけてくれるだろうか?意外と中国人の方がおせっかいでもあるが、優しい部分も多く持っている。人が困っていると助けるのが、中国人の本質である。最近では若い中国人は他人に無関心な人も増えているようだが、そんな素朴な中国人もまだまだ多いのも事実である。   皆さんもそんな中国人の良さを、もっともっと知ってほしいものである。   写真は天津行旧列車。(執筆者:廣井正義・日本経営管理教育協会会員 編集担当:水野陽子)
現在、北京~天津間は中国版新幹線“動車組”が走っている。北京~天津間のおよそ100kmを30分ほどで結ぶ高速列車だ。最高時速は300km、専用軌道を使って、北京南駅から天津駅までほぼ一直線で結んでいるのだ。これは何段階か踏んで今のようになった。
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2014-07-09 10:30