ミロク情報サービスは高値更新の展開

  財務・会計ソフトのミロク情報サービス <9928> の株価は、6月以降ほぼ一本調子に水準を切り上げて高値更新の展開となった。6月30日には483円を付けて13年9月高値469円を突破し、さらに7月8日には500円まで上値を伸ばしている。中期成長力を評価して、自律調整を挟みながら上値を追う展開だろう。3%近辺の高配当利回りも支援材料だ。   会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。システム導入契約売上とサービス収入が収益柱である。   全国約8400の会計事務所ユーザーおよび約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、サービス収入などのストック型収益構造を特徴としている。会計事務所向けシステム「ACELINK NX-Pro」、中堅企業向けERPシステム「Galileopt NX-Ⅰ」、中小企業向け新ERPシステム「MJSLINK NX-Ⅰ」などが主力製品で、会計事務所が抱えている課題を解決することで中小企業支援に?がるトータルソリューションが強みだ。   13年10月には、連結会計システム開発のプライマルと資本・業務提携して、個別会計から連結会計、企業情報開示、連結納税までグループ経営支援のソリューション提供を強化している。   14年5月に発表した第3次中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では、目標数値として最終年度17年3月期売上高260億円、経常利益40億円、純利益24億50百万円、売上高経常利益率15%、ROE15%を掲げている。   重点戦略としては、顧客基盤を拡大するための販売戦力増強と販路拡大(市場ポテンシャルに合わせた人的リソース配分の適正化、販社M&Aも活用したエリア拡大、顧客サポート体制および経営情報サービスの充実など)、新たな顧客を創造する新製品・サービスの開発・提供(マルチデバイスに対応したクラウドサービスの開発、既存製品の統廃合および開発効率の向上など)、新規事業による新たな収益基盤の確立(利益率向上に向けた事業ポートフォリオの再設計、中小企業の事業再生支援サービスへの参入など)を推進する方針だ。   新規事業に関しては、登録会員数が120万人を突破した中小・ベンチャー企業支援ビジネス情報サイト「bizocean(ビズオーシャン)」のクラウド拡充と新たなネットビジネスへの展開、マルチデバイス対応のお金管理アプリ「マネトラ」による消費者間取引(CtoC)市場への参入、経済団体・FC企業等への会計クラウドサービスの提供などを推進する方針だ。   14年5月には、全国商工会連合会、都道府県商工会連合会および市町村商工会と、その会員事業者向けの「会計・税務のクラウド型アプリケーションソフト」を開発した。全国の商工会会員85万事業者が利用可能なアプリケーションソフトである。また14年6月にはジャパンネット銀行と提携して、CtoC向けクラウド型会計アプリ「個人収支管理アプリbyマネトラ」の提供を発表した。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)は、売上高が前期比2.3%増の225億90百万円、営業利益が同5.4%増の25億20百万円、経常利益が同4.8%増の25億40百万円、純利益が同8.7%増の15億10百万円で、配当予想は前期と同額の年間15円(期末一括)としている。   会計事務所向けシステムや中小企業向けERPシステムの拡販を推進し、新規顧客開拓の強化、顧客基盤の拡大、ソフト保守サービス契約率の上昇なども寄与する。システム導入契約売上高、サービス収入とも好調に推移して4期連続最高益更新の見込みだ。ストック型収益の積み上げで中期的にも増収増益基調だろう。   株価の動き(3月27日付けで貸借銘柄に選定、4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、4月の直近安値390円から切り返し、6月以降はほぼ一本調子に水準を切り上げて高値更新の展開となった。6月25日に469円を付けて1月の年初来高値464円を突破し、6月30日に483円を付けて13年9月高値469円を突破した。さらに7月8日には500円まで上値を伸ばした。今期好業績見通しを評価する動きだろう。   7月10日の終値495円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円23銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS402円29銭で算出)は1.2倍近辺である。ほぼ一本調子の上昇で目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると下値切り上げトレンドを継続して460円台のフシを突破した形である。3%近辺の配当利回りも支援材料であり、自律調整を挟みながら上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
財務・会計ソフトのミロク情報サービス<9928>(東1)の株価は、6月以降ほぼ一本調子に水準を切り上げて高値更新の展開となった。
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2014-07-11 09:00