【為替本日の注目点】欧州不安から円全面高、ドラギの望むユーロ安が実現か

 NY市場  101円台半ば付近でもみ合っていたドル円は、ポルトガルの大手銀行の信用不安から円買いが加速し、一時101円06銭まで下落。その後米長期金利が小幅な低下に留まったことでややドルが買い戻され101円30-35銭でクローズ。   ポルトガル大手銀行の信用不安でユーロ売りも勢いを増し、ユーロドルは1.36台半ばから1.3589近辺まで売られる。ユーロは円に対しても大幅に下落し、約4ヶ月振りに137円台半ばまでユーロ安が進行。   欧州株が大きく値下がりしたことで、NY株式市場も大幅安。ダウは70ドル下げ、主要株価指数も全て下落。   債券相場は小幅に続伸。欧州不安の再燃懸念から安全資産の債券に買いが集まり、長期金利は2.53%台まで低下。   金は大幅に続伸し約3ヶ月振りに1339ドル台に。原油は10日ぶりに反発。   新規失業保険申請件数 → 30.4万件   ドル/円 101.06~ 101.37  ユーロ/ドル 1.3589 ~ 1.3615  ユーロ/円 137.50 ~ 137.91  NYダウ -70.54  → 16,915.07ドル  GOLD +14.90  → 1,339.20ドル  WTI +0.64    → 102.93ドル  米10年国債 -0.018 → 2.538%  本日の注目イベント  独   独10月消費者物価指数(改定値)   米   6月財政収支    米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   加   カナダ6月失業率   ポルトガルの大手銀行であるエスピリト・サント銀行の親会社が債務返済を履行しなかったことから金融不安が広がり、安全通貨の円が全面高となり、ドル円は一時101円06銭まで円高が進みました。信用不安から欧米の株式市場では株価が急落し、安全資産の米国債が買われ、2010年の「欧州債務危機はまだ終わっていない」との声も聞かれました。  信用不安から同行の株価は17%以上下げ、社債は過去最安値を更新し、その後株式と債券は取引が停止されています。何か、降って沸いたような突然の信用不安でしたが、エスピリト・サント銀行は親会社の発行した短期証券の一部について償還が遅れるとし、影響があるのは少数の顧客のみだと説明しており、今のところ被害は限定的と見られています。  ドル円は一時101円06銭まで売られ、5月21日以来の円高水準をつけていますが、今のところ101円台は維持しています。「日足」では、昨日述べた「三角保ち合い」を下抜けした格好になっていますが、足許では米長期金利の低下もそれほど進んではおらず、101円を割り込んだとしても緩やかなものになりそうです。ただ、ドル円のボラティリティーは円が買われたことで、5.635%台まで上昇しており、今後の展開次第では、ようやくドル円にも動きが出るかもしれません。  ユーロ円はポルトガルの信用不安を受け一時137円50銭まで円高がすすみました。この水準は2月の初旬以来となりますが、レベル感だけでユーロを買うのには注意が必要です。「週足」では既に遅行スパンが「逆転」を見せており、「月足」でもMACDは「デッドクロス」を見せています。「月足」での「デッドクロス」は実に2年振りとなります。どうやら、ドラギECB総裁の望む「ユーロ安」が実現しそうな状況を見せ始めてきました。  これまでは「ドル安」が進行する対極として円が買われる場面がありましたが、昨日の動きではユーロや豪ドルも売られ、円全面高の展開でした。昨日の失業保険申請件数も好調だったことを考えると、ポルトガルでの信用不安が同国内だけに留まれば、ドル円の買い場を探る展開を予想します。本日のレンジは100円80銭~101円60銭程度と予想します。  米大学が調査した結果によると、第2次世界大戦後「最悪の大統領」はオバマ大統領と考える国民が33%と、最も多いそうです。現職の大統領は厳しい評価を受けがちですが、オバマ大統領があのニクソン元大統領よりも評価が低いとは以外でした。ちなみに「最高の大統領」の1位はレーガン氏で、こちらもケネディー氏ではなかったことにやや驚きです。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
101円台半ば付近でもみ合っていたドル円は、ポルトガルの大手銀行の信用不安から円買いが加速し、一時101円06銭まで下落。その後米長期金利が小幅な低下に留まったことでややドルが買い戻され101円30-35銭でクローズ。
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2014-07-11 09:15