日経平均の25日線攻防が最大の注目点、好決算銘柄の個別買いの展開=犬丸正寛の相場展望
日経平均は、今年初とみられる5日連続安と調整色を強めている。もっとも、5日間の下げは、終値ベースでみれば220~230円程度とそれほど大きくはない。むしろ、下値抵抗力があるとみることができる。
これは、(1)景気・企業々績とも堅調で実体面での支えがある、(2)テクニカル面では25日線が支えとなっている~ことがあるといえる。
とくに、現在のマーケットが短期マネー中心となっていることを考えると25日線の攻防が最大の注目点といえる。
6月後半以降、幾度か25日線まで下げるものの、なんとかキープしてきた。つい最近、9日にも場中で25日線を下回ったが、終値では25日線を維持している。
週末の11日(金)は、場中で安値1万5101円があり25日線(1万5217円)を下回り、終値でも25日線を下待った。5月22日以来、ほぼ2ヶ月ぶりである。
このため、来週は、25日線切りが一時的か、あるいは、そのまま相場は本格調整に向かうか、という点が見所となる。
筆者は、そのまま大きく下げることはないとみている。理由としては、3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算の発表が本格化するからである。企業々績全体としてみれば、「好調」ということにはならないだろうが、消費増税直後の決算という対比では、「堅調」という評価となって、先行き業績に期待を抱かせる内容となることが予想される。
「好調」でなく、「堅調」ということでは日経平均を大きく上伸させることは難しい。しかし、間違いなく下支えとなるはずである。むろん、NYダウが大きく下げないという前提はつくが。
ただ、気になるのは、東証1部の売買代金及び出来高が減少傾向にあることだ。これは、機関投資家等の買いが目先的には一巡した可能性があるのではないかと思われる。
このため、第1四半期決算の発表が続く間は日経平均は堅調でも決算発表が一巡する7月後半あたりから日経平均は本格調整に入る可能性を含んでいるといえる。いわゆる「夏枯れ相場」である。
当面、日経平均は25日線近辺での一進一退の展開とみられ、好決算発表銘柄と、テーマ性材料株の個別物色が続くものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
日経平均は、今年初とみられる5日連続安と調整色を強めている。もっとも、5日間の下げは、終値ベースでみれば220~230円程度とそれほど大きくはない。むしろ、下値抵抗力があるとみることができる。
犬丸正寛
2014-07-11 16:30