中国は依然として世界最大のエネルギー消費国に=BPエネルギー統計

英国の石油大手BPがこのたび発表した「BPエネルギー統計2014」(Statistical Review of World Energy 2014)によると、2013の中国の一次エネルギー消費量は石油換算で28.5億トンとなり、世界全体の消費量127.3億トンの22.4%を占め、依然として世界最大のエネルギー消費国であった。ただし、2013年の対前年比伸び率は4.7%にとどまり、過去10年の平均伸び率8.6%を大幅に下回った。
この点についてBPチーフ・エコノミストのクリストフ・ルールは「中国の経済構造調整がエネルギー需要に影響を与えたが、2013年の国内総生産(GDP)の伸び率7.7%には影響しておらず、経済学的に説明するのは難しい」と述べている。中国国家統計局が2014年1月20日に発表した2013年の中国の実質GDPの伸び率は7.7%で、2012年の伸び率と同じであった。
2013年の中国のエネルギー別消費量と前年比伸び率
エネルギー別消費量の対前年比伸び率を見ると、天然ガスが10.8%、石炭が4.0%、石油が3.8%で、いずれも過去10年の平均伸び率を下回った。非化石エネルギーの中では、再生可能エネルギーが最も高い伸び率で28.3%となり、原子力は13.9%、水力発電は4.8%であった。なお、BPのレポートでは2013年の中国のエネルギーの輸入需要はエネルギー総消費量の15%に達していると見ている。中国政府の関連部門のデータでは、中国の石油の対外依存度は60%近く、天然ガスの対外依存度は約30%とされている。
2013年の中国の一次エネルギー消費量に占めるエネルギー別シェア
2013年の中国のエネルギー消費構成を見ると、一次エネルギー消費量に占めるシェアが最も高い石炭は67.5%で、過去最低レベル(2012年は68.5%)となった。次いでシェアの高い石油も1991年以降で最低レベルの17.8%(2012年は17.7%)となった。逆に、ここ10年でシェアを伸ばしている天然ガスは5.1%で前年より増加(2012年は4.7%)した。非化石エネルギー(再生可能エネルギーや原子力等)の伸び率は9.6%であった。
中国政府は、「第12次5ヵ年計画」等でエネルギー構造調整を行う方針を打ち出しており、非化石エネルギーの利用拡目標(一次エネルギー消費量に占める非化石エネルギー比率を2005年の7.5%から、2015年に11.4%、2020年に15.0%に引き上げる目標)等を設定して、低炭素社会の実現を目指している。また、大気汚染の深刻化により、一次エネルギー消費量に占める石炭比率の引き下げが喫緊の課題となっており、2014年1月の「エネルギー工作会議」では、2014年中に石炭比率を65%以内に抑える目標が設定されている。
なお、BPの統計と中国の統計ではエネルギー消費量の値が異なるが、これは熱量の換算方法が異なるためと推定されている。中国国家統計局の「エネルギー統計年鑑」によると、2012年の一次エネルギー消費量は石油換算で25.3億トンであり、エネルギー別構成比は石炭66.6%、石油18.8%、天然ガス5.2%、再生可能エネルギーや原子力等は9.4%である。(編集担当:金糸猴)
英国の石油大手BPがこのたび発表した「BPエネルギー統計2014」(Statistical Review of World Energy 2014)によると、2013の中国の一次エネルギー消費量は石油換算で28.5億トンとなり、世界全体の消費量127.3億トンの22.4%を占め、依然として世界最大のエネルギー消費国であった。ただし、2013年の対前年比伸び率は4.7%にとどまり、過去10年の平均伸び率8.6%を大幅に下回った。
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2014-07-13 04:00