サムスンの減益、「雁行形態論」でとらえれば・・・必然的な結果=中国メディア

 韓国のサムスン電子によってもっとも重要な事業であるスマートフォン事業が大きな試練に直面している。サムスン電子はこのほど2014年第2四半期の売上高が前年同期比10%減の515億米ドル、営業利益は同25%減の71億米ドルになる見込みと発表したことについて、中国メディアの21世紀網は「問題の根底には製造業の技術移転がある」と論じた。  記事は、世界のスマートフォン市場においてサムスンは厳しい状況に追い込まれているとし、日米ではiPhoneが大きな市場シェアを確保していることを紹介。さらに欧州ではサムスンが約40%と大きなシェアを確保しているものの、中国市場では中国メーカーの追い上げを受け、14年第1四半期のシェアは20%も落ち込んだと伝えた。  続けて、サムスンが直面している試練の根底には「製造業の技術移転に基づく構造的問題」があると主張。さらに「雁行形態論」を挙げたうえで、アジアで最初に勃興した日本の製造業がその後、韓国や台湾、そして中国に発展の中心が移ったと紹介し、先行する他国の技術を後発企業が消化・吸収し、先行企業を追い抜くというプロセスがあると論じた。  続けて、具体例として電子産業で先行した日本にはソニーやパナソニック、東芝、シャープ、NECといった大企業が生まれたものの、その後は韓国でサムスンやLGが台頭すると、日本企業は韓国企業によってシェアを奪われたと主張。現在は中国企業が台頭しており、かつての日本企業が直面したように「韓国企業は中国企業によってシェアを奪われている」と論じた。  記事はサムスンの減益は「製造業の技術移転がもたらす必然的な結果」であるとし、サムスンだけの問題ではないと主張し、韓国の大手企業が軒並み減益となったのは「ウォン高という短期的理由もあるものの、長期的に見れば産業の移転がもたらした構造的問題である」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Francis Dean/123RF.COM)
韓国のサムスン電子によってもっとも重要な事業であるスマートフォン事業が大きな試練に直面している。(イメージ写真提供:(C)Francis Dean/123RF.COM)
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2014-07-13 14:30