日本エム・ディ・エムは急騰から一旦反落だが、売り一巡して切り返し

  医療機器商社の日本エム・ディ・エム <7600> の株価は、6月23日発表の薬事承認取得を好感して6月25日に457円まで急騰し、13年11月高値395円を突破した。利益確定売りで一旦反落したが、7月11日には切り返しの動きとなった。利益確定売りが一巡したようだ。270円~300円近辺でのモミ合いから上放れた形であり、今期好業績見通しや低PBRを評価して高値を目指す展開だろう。   人工関節製品、脊椎固定器具、骨接合材料など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が13年3月期に終了した影響で一時的に収益が悪化したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と、それに伴う自社製品比率上昇による売上総利益率改善効果で収益改善基調を鮮明にしている。   13年11月には米ODEV社製の人工膝関節新製品「BKS-Momentum」および「E-Vitalize」が米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得し、14年1月から米国で販売を開始した。日本では14年5月から人工膝関節新製品「BKSオフセットティビアルトレイ」の販売を開始した。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。高齢化社会到来を背景として中期的に需要拡大が期待される。   6月23日には2件の薬事承認取得を発表した。米ODEV社製造の人工股関節大腿骨ステム「OVATION Tributeヒップシステム」およびステムヘッド「ODEV BIOLOX deltaセラミックヘッド」の薬事承認を取得し、14年9月から順次販売予定としている。また米ODEV社は人口膝関節新製品「KASM」について米FDAの薬事承認を取得して販売を開始した。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月30日公表)は売上高が前期比11.0%増の105億円、営業利益が同39.1%増の9億20百万円、経常利益が同47.1%増の7億円、純利益が同39.5%増の4億円、そして配当予想は前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   米ODEV社製の人工股間接製品「オベーションヒップシステム」、脊椎固定器具「Vusion OS インターボディ Cage」、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品「MODE」、前期から販売開始した「MDMプリマヒップスクリューシステム」などの販売が好調に推移し、今期投入の新製品も寄与する。自社製品比率上昇による売上総利益率改善効果で大幅増益見込みだ。自社製品比率の計画は前期比6.5ポイント上昇の80.9%で、想定為替レートは1米ドル=102円としている。   株価の動きを見ると、270円~300円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、6月23日発表の2件の薬事承認を好感して2日連続のストップ高となり、6月25日には457円まで急騰して13年11月高値395円を一気に突破した。その後は利益確定売りで一旦反落し、7月11日には339円まで調整する場面があった。ただし7月11日は終値で前日比8円高の352円まで切り返した。利益確定売りが一巡し、今期好業績見通しも評価して再動意の構えのようだ。   7月11日の終値352円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円12銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS417円65銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると6月の急騰で長い上ヒゲを付けたが、日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した。270円~300円近辺でのモミ合いから上放れた形であり、今期好業績見通しや低PBRを評価して高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の日本エム・ディ・エムの株価は、6月23日発表の薬事承認取得を好感して6月25日に457円まで急騰し、13年11月高値395円を突破した。
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2014-07-14 09:15