カナモトは、好業績評価して自律調整挟みながら上値追い

  建設機械レンタル大手のカナモト <9678> の株価は高値更新の展開が続いている。7月4日には4215円まで上値を伸ばした。足元は上げ一服の形だが下押す動きは見られず、4000円台で堅調に推移している。今期(14年10月期)業績再増額の可能性もあり、好業績を評価して自律調整を挟みながら上値を追う流れに変化はないだろう。5000円台が視野に入りそうだ。   建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。北海道を地盤に東北、関東、中部、近畿、九州にも営業拠点網を拡充して全国展開を加速し、12年6月には道路建機レンタルと道路工事施工のユナイトを子会社化してグループ戦略やアライアンス戦略も強化している。   14年4月には、環境保全設備や地下施設建設機械などの製造・レンタルを手掛ける子会社のKGフローテクノが、中国・上海に現地法人を設立した。中国で需要拡大が見込める環境保全設備や地下施設建設機械の事業展開を本格化するようだ。   今期(14年10月期)の連結業績見通し(5月29日に増額修正)については、売上高が前期比10.6%増の1226億円、営業利益が同40.5%増の160億10百万円、経常利益が同40.3%増の155億40百万円、純利益が同33.8%増の77億70百万円としている。配当予想は同10円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)(普通配当年間20円+記念配当年間10円)としている。   震災復旧・復興関連工事、防災・減災・耐震化関連工事、老朽化インフラ補修・更新関連工事、都市再開発関連工事、激甚災害現場の復旧工事などが活発であり、営業拠点網拡充などの営業強化策も寄与して建設機械レンタル需要が高水準で推移する。販管費抑制などの効果も寄与して大幅増収増益見込みだ。   第2四半期累計(11月~4月)は前年同期比17.3%増収、49.2%営業増益、46.9%経常増益、52.1%最終増益と、計画を上回る大幅増収増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が52.4%、営業利益が62.9%、経常利益が63.4%、純利益が72.7%と高水準だった。   公共投資の比率が高まる年度末(1月~3月)が当社の第2四半期累計に当たることや、人手不足による工事遅延の影響などを考慮しても、通期見通し再増額の可能性が高いだろう。20年東京夏季五輪やリニア中央新幹線など建設関連ビッグプロジェクトが目白押しであり、中期的にも事業環境は良好だ。なお9月5日に第3四半期累計(11月~7月)の業績発表を予定している。   株価の動きを見ると、3月に2800円近辺のフシを突破した後は、水準を切り上げて高値更新の展開が続いている。7月4日には4215円まで上値を伸ばした。足元は上げ一服の形だが大きく下押す動きは見られず、4000円台で堅調に推移している。好業績を評価して高値を更新する流れに変化はなく自律調整の範囲だろう。   7月11日の終値4085円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS215円59銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1513円49銭で算出)は2.7倍近辺である。指標面の割安感はやや薄れたが、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。短期自律調整を挟みながら上値を追う流れに変化はなく、5000円台が視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設機械レンタル大手のカナモト<9678>(東1)の株価は高値更新の展開が続いている。7月4日には4215円まで上値を伸ばした。
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2014-07-14 09:15