海外不動産に「うまみ」? 中国人の投資が活発化する理由とは=中国メディア

中国の不動産市場が低迷するなか、中国人の海外不動産投資が活発化している。米国の不動産協会が8日に発表した報告によれば、2013年4月から14年3月までの1年間に中国人が購入した不動産の総額は前年同期比72%増の220億米ドル(約2兆2000億円)に達した。中国新聞社が報じた。
報道によれば、中国では中所得者の海外不動産投資が増えつつあり、国信美投置業投資有限公司の裁陸鶴総裁は、「北京市内の不動産投資ではインカムゲインによる投資回収には100年以上もかかる計算だが、米国では6-7年で回収も可能であることが魅力だ」と語った。
裁陸鶴総裁は、中国人による海外不動産投資の傾向として米国の場合は10万米ドル(約1000万円)以下の物件が人気を集めていることを紹介、「金融危機下で差し押さえとなった物件は投資価値が高いとして特に人気だ」と話した。また、裁陸鶴総裁は米国の不動産価格は金融危機によって下落したが、現在はすでに回復傾向にあり、投資先としての価値も上昇しつつあると語った。
米国の不動産協会が発表した報告では、米国で成約した不動産価格の平均値価格19万9000ドル(約2000万円)だが、中国人が購入した物件の場合は平均価格が52万3000ドル(約5300万円)にまで跳ね上がる。また中国人は現金での購入を好む傾向にあり、75%以上の中国人が現金で支払ったという。
中国人の間で海外不動産投資が増えている背景について、中原地産の張大偉首席アナリストは「中国国内の不動産市況が低迷しつつあること」、「世界的に経済が回復傾向にあり、海外不動産の投資価値が高まったこと」を挙げた。
さらに張大偉首席アナリストは「海外諸国の環境の良さや教育水準の高さを考慮し、移民を前提に購入している中国人もいる」とし、さらに違法性が指摘されている非正規の収入である「灰色収入」が不動産投資という形で海外に流れている可能性もあると指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国の不動産市場が低迷するなか、中国人の海外不動産投資が活発化している。米国の不動産協会が8日に発表した報告によれば、2013年4月から14年3月までの1年間に中国人が購入した不動産の総額は前年同期比72%増の220億ドルに達した。中国新聞社が報じた。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic
2014-07-14 09:30