ストリームは高値更新の展開、7月11日発表の株式分割も好感して上値追い

  家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム <3071> (東マ)の株価は、6月の800円近辺での短期モミ合いから上放れて高値更新の展開となった。中国5173.Comとの業務提携が好感された。目先的な過熱感はあるが長期の底練り展開から上放れた形であり、7月11日発表の株式5分割も好感して上値追いの展開だろう。   家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営を主力としている。資本・業務提携先のベスト電器 <8175> からの仕入が正常化し、市場価格に迅速に対応できるシステム構築、仕入先とのデータ連携強化による取扱アイテム数の増加、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保、販管費圧縮などの施策を強化して収益は改善基調である。新規事業ではネット通販に関する豊富なノウハウを活用して、他社のネット通販を支援するネット通販支援事業(ECサイト運営業務代行サービス)を強化している。   14年1月には子会社の中国・上海思多励国際貿易有限公司(上海ストリーム)の出資持分全部を譲渡して、経営資源を国内ネット通販事業に集中する方針を打ち出した。そして14年2月には扶桑化学工業 <4368> から、化粧品・健康食品の無店舗販売を展開するエックスワンの株式80%を取得して連結子会社化した。   また14年6月には、中国のネットサービス企業集団である5173.Com Holdings Limitedとソーシャルゲームおよびeコマースに関する包括的業務提携を発表した。ソーシャルゲームに関しては中国に合弁ゲーム開発会社を設立する予定で、eコマースに関しては5173.Com傘下のeコマース会社818.comが当社と共同でネットプラットフォームを構築し、決済代行、通訳、物流等のサービスを提供する予定としている。   今期(15年1月期)の連結業績見通しは前回予想(3月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比23.7%増の206億46百万円、営業利益が3億79百万円(前期は1億63百万円の赤字)、経常利益が3億72百万円(同1億19百万円の赤字)、純利益が2億86百万円(同84百万円の赤字)の黒字化としている。エックスワンを子会社化したことに伴う負ののれん発生益は通期見通しに織り込み済みとしている。   インターネット通販事業では販売促進策の強化に加えて、ウインドウズXPサポート終了に伴うパソコン買い替え需要が好調であり、家電製品に関しても消費増税前駆け込み需要の反動は想定内のようだ。テレビ画面サイズ大型化に伴う単価上昇なども寄与する。増収に伴って荷造発送費などが増加するが、粗利益率改善やエックスワンの新規連結なども寄与して収益は改善基調だ。第2四半期累計(2月~7月)見通しに対する第1四半期(2月~4月)の進捗率は売上高が62.5%、営業利益が76.9%、経常利益が81.9%、純利益が232.1%と高水準だった。第2四半期累計は上振れの可能性が高いだろう。   なお7月11日に株式分割を発表した。7月31日を基準日(効力発生日8月1日)として1株を5株に分割する。株式5分割に伴って株主優待制度の一部変更も発表した。変更後は、株式分割後100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。   株価の動き(14年2月1日付で株式100分割)を見ると、6月の800円近辺での短期モミ合いから上放れて高値更新の展開となった。7月4日と7月11日には1300円まで上値を伸ばす場面があった。08年1月以来の高値水準だ。今期の収益改善見通しに加えて、6月27日発表の中国5173.Comとの業務提携も好感されたようだ。   7月11日の終値1296円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円96銭で算出)は21~22倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS162円27銭で算出)は8倍近辺である。6月末から上げ足を速めたことで目先的な過熱感はあるが、月足チャートで見ると09年から続いた長期の底練り展開から上放れた形だ。7月11日発表の株式5分割も好感して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム<3071>(東マ)の株価は、6月の800円近辺での短期モミ合いから上放れて高値更新の展開となった。
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2014-07-14 09:30