【為替本日の注目点】ドル円101円台前半小動き、FRB利上げ時期意見相違の懸念

 NY市場  ドル円はほぼ横ばい。重要な経済指標の発表もなく、101円台前半で小動き。   ユーロドルももみ合い。1.36を挟んで一進一退の動きが続き1.3603-08近辺で引ける。   株式市場は反発。欧州の信用不安から朝方は下げたが、ネット関連株の上昇が株価を押し上げ、ダウは28ドル高。   債券相場は続伸。欧州金融市場での緊張が続くとの見方から債券には買い物が集まり、長期金利は2.51%台まで低下。   金は反落。原油価格は需給が緩むとの観測から大幅に下落し、約2ヶ月振りに100ドル台に。   6月財政収支 → +70.5億ドル   ドル/円 101.23~ 101.42  ユーロ/ドル 1.3592 ~ 1.3613  ユーロ/円 137.69 ~ 137.96  NYダウ +28.74  → 16,943.81ドル  GOLD -1.80  → 1,337.40ドル  WTI -2.10    → 100.83ドル  米10年国債 -0.028 → 2.510%  本日の注目イベント  欧   ユーロ圏5月鉱工業生産     欧   ドラギ・ECB総裁議会証言   米   決算発表 →シティグループ   ポルトガルの大手銀行持ち株会社の信用不安から安全通貨である円が買われ、ドル円は前日101円06銭まで円高が進んだが、この日は101円台前半でのもみ合いに終始しました。ポルトガルの信用不安は限定的で、これ以上金融不安は拡大しないという見方がある一方、まだ予断は許さないとする見方から、債券が買い進まれる場面もありました。  ドル円は101円30銭台でもみ合っていますが、米長期金利が2.51%台まで低下していることを考えるとまだ上値が重そうな雰囲気です。「1時間足」では、101円50銭まで上昇すると「雲」を上回ることになるため、今日はこの水準を抜けることができるかどうかが上値のポイントになろうかと思います。  一方下値では、先週のドル安値である101円06銭から101円にかけては、そこそこドル買い需要も見られそうなことから、この水準が目先のサポートになりそうです。「MACD」も依然として「マイナス圏」にいます。また「日足」でも「遅行線」は逆転を示したままです。これを見る限り、テクニカル的にはドルの底値を試す可能性の方が高いと見られます。  FRBは年内に債券購入プログラムを終了する意向を示していますが、問題はそれでも「相当な期間」緩和的な状態を継続するという点です。利上げのタイミングを巡ってはFOMC内でも意見の食い違いが浮き彫りになっているとブルームバーグは伝えています。タカ派の代表の一人であるプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は、「利上げを過度に先延ばしすることでFRBは信用を失いかねず、経済統計では既に金融引き締めの必要性が示されている」との考えを示しています。  これに対して、ハト派の代表格であるエバンス・シカゴ連銀総裁は「低インフレと労働市場のスラック(たるみ)を考慮すれば、FRBは2015年下期(7-12月)、または16年まで利上げ開始を待つことが可能となろう」と述べています。利上げが開始されれば、それは1度や2度ではなく、時間をかけながら緩やかに金利上昇のトレンドが継続されると予想され、ドルの支援材料になります。  懸念されるのは、その前に米働市場が息切れをおこし、さらに利上げのタイミングが先延ばしになることです。今後の雇用統計がますます注目されることになりそうです。本日の予想レンジは101円~101円60銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はほぼ横ばい。重要な経済指標の発表もなく、101円台前半で小動き。 
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2014-07-14 09:45