オルトプラスは類似企業IPOの高人気化を先取りして下げ過ぎ訂正で急反発
オルトプラス <3672> は、32円高の1273円と変わらずを含めて8営業日ぶりに急反発している。明15日に同社と同業態のイグニス <3689> (東マ)が新規株式公開(IPO)され高人気化が観測されていることから、同社株に比較感を強めて下げ過ぎ訂正買いが再燃している。同社の今9月期業績が、初の連結決算となるが、実質で過去最高更新が予想されていることも見直されている。
■実質最高純益でPERは17倍台とイグニスと比較して割安
イグニスは、オルトPと同様にスマートフォン向けのアプリを企画・制作し、「App Store」などで配信しており、公開価格は、仮条件の上限の1900円と決定された。今年に入ってのIPO市場は、初値が公開価格を上回って形成される銘柄、下回った銘柄など強弱がマチマチで推移してきたが、全般相場が調整色を濃くするに従ってIPO株人気が高まり、7月10日にIPOされた鳥貴族 <3193> (JQS)は、オールドエコノミーの焼き鳥チェーン業態にもかかわらず、公開価格2800円に対して2.2倍の6180円で初値をつけ、初値比ストップ高の7180円で引け、上場2日目もストップ高、きょう14日も大幅続伸と高人気化している。このためソーシャルゲーム関連のイグニスの初値も、公開価格比2~3倍で形成されるとの観測が強まっており、公開価格のPERが35倍台になるイグニスに対して、PER17倍台の低評価に過ぎないオルトPへの再人気化期待を高めている。
もちろん類似企業のIPOに際しては、既上場の同業他社株を売ってIPO株に乗り換える動きも出るのが、通例となっているが、同社株の場合は、この懸念は少ない。というのは、同社株は、今年3月28日の東証マザーズから東証第1部の市場変更に際して新株式発行(発行価格1575円)と株式売出しを実施、株主価値の希薄化を嫌って、株式分割権利落ち後安値985円まで調整、売られるべき株式はほぼ売られたからだ。
業績も順調に推移しており、今9月期業績は、ITエンジニアを育成したベトナム子会社の重要性が増したとして初の連結決算となるが、純利益は5億8800万円とほぼ過去最高更新を予想している。今年8月7日には、今期第3四半期決算の発表を予定しており、この動向も要注目となる。
■株式分割権利落ち後高値からの調整幅の半値戻しも好望
株価は、5450円で株式分割の権利を落として分割権利落ち後高値2920円からファイナンスを嫌気売りして同安値985円と3分の1の株価水準まで調整、6月10日のイグニスのIPO承認とともに下げ過ぎとして1597円までリバウンドして中段固めを続けている。まず6月の戻り高値を奪回し、落ち後高値からの調整幅の半値戻しの1900円台回復へ一段の戻りを試そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
オルトプラス<3672>(東1)は、32円高の1273円と変わらずを含めて8営業日ぶりに急反発している。
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2014-07-14 10:15