【為替本日の注目点】米株高もドル円反発力弱く、黒田会見「想定外」の発言あるか
NY市場
日本株が堅調だったことを受け、NY株式市場でも株価が上昇したことでドル円は101円台半ばを超える。長期金利の上昇もあり、一時101円62銭までドル高が進む。
ユーロドルは1.36台半ばまで買われた後、ドラギ総裁が為替レートの上昇は景気回復にとってリスクであると証言したことで反落し、1.3610近辺までユーロが売られる。
株式市場は大幅に続伸。シティグループの決算が好調だったことで市場のセンチメントが好転。ダウは111ドル高で1週間振りに1万7000ドルを回復し、再び高値圏に。
債券相場は6営業日振りに反落。イエレン議長の議会証言を控え利益確定の売りに押された格好に。長期金利は2.54%台まで上昇。
金は大幅に続落し、原油は反発。
ドル/円 101.47~ 101.62
ユーロ/ドル 1.3608 ~ 1.3631
ユーロ/円 138.25 ~ 138.44
NYダウ +111.61 → 17,055.42ドル
GOLD -30.70 → 1,306.70ドル
WTI +0.08 → 100.91ドル
米10年国債 +0.037 → 2.547%
本日の注目イベント
豪 RBA議事録
日 日銀金融政策決定会合
独 独7月ZEW景況感指数
英 英6月生産者物価指数
英 英6月消費者物価指数
英 カーニー・BOE総裁議会証言
米 6月小売売上高
米 7月NY連銀製造業景況指数
米 イエレン議長上院で議会証言
米 決算発表 →JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、インテル、ジョンソン&ジョンソン
ドル円は101円台での膠着が続いていますが、昨日の日本株が100円を超える上昇を見せたことでややドル買戻しが進み、NY市場でも株高、金利高に反応し101円62銭まで小幅にドル高が進みました。それでもNYダウが100ドルを超える上昇を見せ、長期金利も上昇した割には、ドル円の反発力は弱いとの印象が残ります。
NY株式市場では、シティグループの決算が純利益では大幅に減少したものの、トレーディング部門の収入が伸びたことを好感し株価は上昇しました。また、ユーロドルでもドラギ総裁の議会証言をきっかけに「ドル高・ユーロ安」に振れたこともあり、ドル円は101円台半ばを超える水準まで値を戻しています。
「1時間足」では「雲」の上限を抜け、その上に位置する「120日線」も上抜けして来ました。この上には、101円69銭に「200日線」あることから、101円70-102円が上値の抵抗帯として意識されそうです。先週の101円06銭を底値にやや反発に転じたことで、101円割れのリスクは多少後退していますが、やはり低ボラティリティーのためか、反発にも勢いがありません。本日の日本株の上昇で、どこまで上値を追えるかが注目されます。
ドラギECB総裁が欧州議会で証言を行っています。総裁は「為替レートの上昇は景気回復の持続性にとってリスクである」と述べ、さらに「ECBは極めて緩和的な政策を維持する」と証言しています。そしてこれまで通り「ECBは必要なら一段の行動をとる準備ができている」と繰り返しています。
ユーロドルはこの発言が伝わっても、1.3640レベルから1.3610近辺までの下落に留まっています。6月にマイナス金利導入を含む包括的緩和策を決めた直後に、1.350目前までユーロは売られましたが、その後は1.36を挟み一進一退が続いています。市場はECBの次の一手を待っている状況ですが、ドラギ総裁の「口先介入」だけでは、ユーロドルを1.30方向に誘導するには限界があると思われます。昨日の議会証言でも述べていた様に「非伝統的な手段を活用する」時が近づいているように思います。
本日はイエレン議長が上院で証言を行いますが、ブルーバーグは同議長がそれに先立って、米ニューヨーカー誌とのインタビューを行った内容を伝えています。それによると議長は、米経済は「われわれが望む位置につけたとしても」、「非常に緩和的な金融政策が必要だろう」と述べ、「向かい風はまだ存在する」と語っているようです。この内容は市場が予想するように「ハト派的」であり、おそらく本日の議会証言でも同様な内容に終始する可能性が高いと思われます。仮にこの内容であれば、市場は想定通りとして大きく反応はしないと思われます。
また午後3時半からは黒田日銀総裁の記者会見が予定されています。こちらもこれまで通り、景気は順調に回復しており、インフレ率も想定通りの上昇を見せている、と発言しそうです。相場が動くとすれば質疑応答で、「想定外」の発言があった時です。本日のレンジは101円10銭~101円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
日本株が堅調だったことを受け、NY株式市場でも株価が上昇したことでドル円は101円台半ばを超える。長期金利の上昇もあり、一時101円62銭までドル高が進む。
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2014-07-15 09:45