東京2020オリンピック・パラリンピックを成功させよう!

日本経営管理教育協会が見る中国 第287回--坂本晃(日本経営管理教育協会特別顧問) ● クーベルタンの提唱   近代オリンピックは、「近代オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタン男爵が提唱した「スポーツを通して心身を向上させ、……平和でよりよい世界の実現に貢献する」がその原点といえよう。   争いの絶えない世界において、せめてオリンピック期間中は休戦をという願いが込められていると言われている。ここでは夏季オリンピックを取り上げる。   ● 幻の第12回東京オリンピック(1940年)   日本のオリンピック招致委員会を代表した柔道創始者、国際IOC委員、嘉納治五郎東京高等師範学校校長がフィンランドのヘルシンキを相手に、多くの困難を乗り越え、東京への招致に成功した。   しかし、1936年に始まった日中戦争が拡大し、東京での開催が困難になり、次点であったヘルシンキで開催されることになった。これも第2次世界大戦の勃発で中止となり、第12回オリンピックは開催されなかった。   それでも回数の変更をしないことになっており、第13回ロンドン開催も第2次世界大戦のため、開催されなかった。 ●第18回東京オリンピック1964年はアジアで初   第1回オリンピックは1896年アテネで開催された。その後1916年の第6回ベルリンは第1次世界大戦で中止、前述の1940年の第12回東京、1944年の第13回ロンドンと、計3回は戦争の影響で中止された。   1945年第2次世界大戦の終結以後は、不参加国がでる大会もあったが、中止されることはなかった。   過去の開催地は欧米とオーストラリアであったのに対し、東京はアジアで初めての開催であった。日本の高度成長期に当たり、東京オリンピック開催をきっかけに、東海道新幹線の開通、カラーテレビの始まり、高速道路の開通、東京の青山通りやマラソンのために甲州街道が整備、市民のマナー向上など今日に残る事業が実施された。   東京オリンピックをモデルに、アジアでは1988年に第24回韓国ソウルが、2008年に第29回中国北京が開催され、公共事業の整備や経済発展のきっかけとなっている。 ● 2020年 第32回東京オリンピック(東京開催2回目)へ向けて   スペインのマドリードとトルコのイスタンブールと争い、東京への招致は成功した。初の中東イスラム圏での開催ということで、イスタンブールの支持もあったが、トルコの国内情勢がままならずであった。   回を重ねるごとに規模が拡大し、費用もかかるようになり、本来アマチュアスポーツであるべきと言われているが、国の統一に利用したり、商業オリンピックの感も否めない。インフラ整備のきっかけとして、経済発展とのバランスが求められよう。 ● パラリンピックは障害者対象のスポーツ競技大会   世界的に経済格差是正が求められており、とくに障害者に暖かくという願いから発足したパラリンピックは、その前身ストーク・マンデビル競技大会が第1回は1960年ローマで開催された。   名称がパラリンピックになったのは第8回1988年ソウルから、第11回2000年のシドニーからオリンピックと同時開催となった。2020年東京大会は第16回になる。   健常者のオリンピックは華やかであるが、障害者のパラリンピックも暖かく迎えたいものである。   写真は北京オリンピック会場のスローガン。(執筆者:坂本晃・日本経営管理教育協会特別顧問 編集担当:水野陽子)  
近代オリンピックは、「近代オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタン男爵が提唱した「スポーツを通して心身を向上させ、……平和でよりよい世界の実現に貢献する」がその原点といえよう。争いの絶えない世界において、せめてオリンピック期間中は休戦をという願いが込められていると言われている。ここでは夏季オリンピックを取り上げる。  
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2014-01-01 11:15