ヤマハ、世界初でバイオマス由来樹脂を採用した環境に優しいリコーダー

 ヤマハ <7951> は2014年7月15日、リコーダーの新製品として環境にやさしいバイオマス由来樹脂を世界で初めて使用した、ヤマハソプラノリコーダー「YRS-401」「YRS-402B」を2014年10月から発売すると発表した。バイオマス由来樹脂として東レが開発したポリ乳酸系樹脂「エコディア」を採用し、樹脂製でありながら木製リコーダーのような芯のあるまろやかな音色を実現した。(写真はヤマハが開催した新製品記者発表会で、ヤマハと東レの関係者。サーチナ撮影)  素材に「エコディア」を採用することによって、従来のABS樹脂製に比べ約20%の二酸化炭素削減を実現した。仮に、小学校1学年(約100万人)が全て新リコーダーを採用するとすると、約230トン(ガソリン自動車で地球を25周する距離を走行した際に排出する二酸化炭素に相当)の二酸化炭素の排出を抑えられるとしている。  リコーダーは、学習指導要領に基づいて、小学校3年生以降に取り上げる旋律楽器として、全国のほとんどの小学校で採用されている。ヤマハでは1967年からリコーダーの製造を開始。安心・安全な楽器をめざし、製造工程で接着剤を使用しない超音波溶着の方式を採用し、2003年頃から環境に優しい楽器の追求を始めた。  今回、新発売する「YRS-401」「YRS-402B」は、東レの「エコディア」をベースに、ヤマハが考える学校用のリコーダーとして必要な機能を盛り込んだオリジナル素材を共同開発した。結果として、強度などの面で従来のABS樹脂と同等の性能を実現した他、重量が多少重くなったことによって「本来の木管楽器としてのリコーダーに近い音質を得ることができた」という。  ヤマハミュージックジャパンの楽器営業本部副本部長の戸ケ里芳昭氏は、「環境に配慮した新素材を使った製品であるということだけでなく、木製リコーダーに近い音色や、ソプラノリコーダーで比較的出しにくいとされる高温の出しやすさなど、今まで以上に音色や吹きやすさも向上したリコーダーに仕上がった」と胸を張る。  実際にプロの演奏家グループである栗コーダーカルテットからは、「音の切れがよくタギングしやすい、音にツボがある、実に使い勝手のよいソプラノリコーダー」という感想が寄せられ、「子どもたちがこの楽器からリコーダーを始められたら、その先の伸びが違ってくるんじゃないでしょうか」と絶賛されている。  発売価格は、「YRS-401」(運指タイプ:ジャーマン式)、「YRS-402B」(同:バロック式)ともに、税抜2100円。初年度に2品番計で3万本の販売を予定している。「学校教材だけに、普及には地道な努力が必要」と、将来のシェア拡大に期待を込めている。(取材・編集担当:徳永浩)
ヤマハは2014年7月15日、リコーダーの新製品として環境にやさしいバイオマス由来樹脂を世界で初めて使用した、ヤマハソプラノリコーダー「YRS-401」「YRS-402B」を2014年10月から発売すると発表した。(写真はヤマハが開催した新製品記者発表会で、ヤマハと東レの関係者。サーチナ撮影)
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2014-07-15 16:45