インフォコムはモミ合い上放れて強基調に転換した流れに変化なし

  ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、5月直近安値788円から切り返して7月2日の1036円まで上伸した。その後一旦は950円近辺まで反落したが自律調整の範囲だろう。安値圏モミ合いから上放れて強基調に転換した流れに変化はなく、1月高値1052円、そして13年10月高値1124円を試す展開だろう。なお7月31日に第1四半期(4月~6月)の業績発表を予定している。   企業向けITソリューションを提供するITサービス事業、一般消費者向け各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。   06年開始のスマートフォン・フィーチャーフォン向け電子コミック配信サービス「めちゃコミック」は13年8月から各携帯キャリア公式サービス1位を独占し、ネットビジネス事業を分社化して設立したアムタスは13年11月に、マルチデバイス対応の新たな電子書籍配信サービス「ekubostore(エクボストア)」も開始した。電子書籍配信は前期(14年3月期)売上高が100億円を超える規模に成長している。   業容拡大に向けてM&Aや戦略的アライアンスも積極活用している。13年9月には、医薬品業界のCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事 <9963> との協業を開始した。   中期経営計画では、目標数値として17年3月期売上高550億円、営業利益50億円を掲げている。ITサービス事業での医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業、ネットビジネス事業(電子書籍やソーシャルゲーム)を重点3事業として、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連、海外展開なども強化する方針だ。   14年3月には、EC事業の運営効率化に向けて子会社アムタスグループ内での事業再編を発表した。食品EC事業を展開する持分法適用関連会社のドゥマンを連結子会社化し、連結子会社のイー・ビー・エス(EBS)が展開するアパレルEC事業をドゥマンへ譲渡して事業統合した。   なお7月15日には、大分県に災害・救急自動車映像伝送システムを納入して運用を開始したと発表している。音声だけのコミュニケーションでは伝わりにくい情報を映像・画像情報を活用して伝えることで、受け入れ先医療機関での準備をスムーズに行うことが可能となる。市町村を跨ぎ、ほぼ全県下において導入・稼働するシステムとしては国内初としている。   また7月15日には、アムタスの子会社でソーシャルゲーム開発のイストピカが、ディー・エヌ・エー <2432> が運営するモバゲー向けソーシャルゲーム「黒執事Cinematic Card Collection」の配信に先駆けて、6月27日から事前登録を開始したと発表している。今期業績への寄与が期待される。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月24日公表)は、売上高が前期比9.9%増の430億円、営業利益が同8.8%増の40億円、経常利益が同8.5%増の40億円、純利益が同12.6%増の23億円で、配当予想は同1円増配の年間18円50銭(期末一括)としている。ヘルスケア事業やGRANDIT事業の業容拡大、電子書籍配信事業の好調などが牽引して増収増益見込みだ。事業基盤整備や事業構造改革の効果も寄与する。   セグメント別の計画は、ITサービス事業はヘルスケア事業とGRANDIT事業の拡大で売上高が同4.1%増の270億円、営業利益が同6.3%増の30億円、ネットビジネス事業は電子書籍配信を軸とする事業拡大で売上高が同21.1%増の160億円、営業利益が同17.8%増の10億円としている。重点分野の一段の業容拡大で好業績が期待されるだろう。   株価の動き(13年10月1日付で株式200分割)を見ると、5月21日の直近安値788円から切り返しの展開となり、900円台前半での短期モミ合いを経て7月2日の1036円まで上伸した。その後は一旦950円近辺まで反落したが、大きく下押す動きは見られず自律調整の範囲だろう。安値圏モミ合いから上放れて出直り展開に変化はないようだ。   7月15日の終値958円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS84円13銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円50銭で算出)は1.9%近辺、そして前期実績PBR(前期実績の連結BPS698円41銭で算出)は1.4倍近辺である。   足元の調整は日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認した形だろう。また週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。安値圏モミ合いから上放れて強基調に転換した流れに変化はなく、1月高値1052円、そして13年10月高値1124円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム<4348>(JQS)の株価は、5月直近安値788円から切り返して7月2日の1036円まで上伸した。
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2014-07-16 09:30