【為替本日の注目点】イエレン発言でドル円堅調も、上値追いは中国GDP次第か

 NY市場  ドル円は堅調に推移。米経済指標が好調だったことに加え、イエレン議長の議会証言でも経済指標次第では早期の利上げもあり得ると発言したことが支えに。ドル円は101円75銭まで買われた。  ユーロドルは下落。独ZEW指数が予想を下回ったことやイエレン議長の議会証言に反応し1.35台半ばまで売られる。  株式市場はまちまち。金融機関の決算は好調だったものの、FRBが一部株価のバリュエーションに懸念を示したことが嫌気された。ダウは5ドル高だが、ナスダックは24ポイント安。  債券相場はほぼ横ばい。朝方は小売売上高の結果に反応し売られ、その後はイエレン議長の発言に小反発。長期金利は2.55%台で小幅に上昇。  金は続落し1300ドル台を割り込む。原油価格も反落し約2ヶ月半振りに100ドルの大台を割り込む。  6月小売売上高       → +0.2%   7月NY連銀製造業景況指数 → 25.60   ドル/円 101.44~ 101.75  ユーロ/ドル 1.3562 ~ 1.3620  ユーロ/円 137.88 ~ 138.35  NYダウ +5.26  → 17,060.68ドル  GOLD -9.60  → 1,297.10ドル  WTI -0.95  → 99.96ドル  米10年国債 +0.005 → 2.552%  本日の注目イベント  中   中国 4-6月GDP   欧   ユーロ圏5月貿易収支   英   6月失業率   米   6月生産者物価指数   米   6月鉱工業生産   米   7月NAHB住宅市場指数   米   ベージュブック(地区連銀経済報告)   米   決算発表 →ブラック・ロック、バンク・オブ・アメリカ   加   政策金利発表    注目されたイエレン議長の上院での発言は、個人的にはこれまでの発言内容と変わらず、昨日のこの欄で紹介した米誌とのインタビュー内容に沿うものだったと思います。ただ市場の反応は、フェデラルファンド(FF)金利の引き上げは、労働市場の改善が予想よりも早いペースで続いた場合「現在想定しているよりも早期に、そして早いペースで行われる公算が大きい」と述べたことをより重要視したようです。  議長は現行の債券購入プログラムは年内に終了するとの認識を示すと同時に、その後のゼロ金利政策は「相当な期間」継続することが適当だとも述べています。労働市場が改善しているとの認識を示しながらも、住宅市場は改善していないとし、結局利上げに関しては「機械的な公式はなく」、今後の経済指標次第だということでした。その意味では、これまでの発言との相違は見られませんが、今後はインフレ率がこれまで以上に注目されることになります。足許ではPCEコアデフレータは1.5%ですが、この数値が2%にどこまで近づいていくのかが今後の政策のキーになります。  この発言を巡っては市場の反応も一様ではなかったようでしたが、ドルが主要通貨に対して買われています。ドル円は一時101円75銭まで上昇し、「1時間足」では、昨日指摘した「120日線」まで上昇して上値を抑えられた形になっています。  ドル円にとってはここからのハードルが高いと言えます。「4時間足」や「8時間足」でも、この水準から102円にかけては多くのレジスタンスが待ち受けています。先週の火曜日から木曜日にかけても、この上値で上昇を抑えられ101円06銭まで反落した経緯があります。それでもこのとこころは日米の株価も上昇気味で、長期金利も一進一退です。ボラティリティーも依然として低水準ですが、ややレートに動きも出てきた感じもします。  本日もドル円は上値を試しそうな状況ですが、上述のようにここから上値を追っていくのはそう簡単ではなく、材料が必要です。そうなると、今日は午前11時に発表される中国の4-6月期GDPが極めて重要な材料になりそうです。市場予想は前期と同じ7.4%ですが、これを上回る内容になれば世界景気へ好影響と判断されドル高へ向かうと思われますが、下回った場合には失望感が先行します。レンジは101円20銭~102円程度と予想しますが、値動きがあるかもしれません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は堅調に推移。米経済指標が好調だったことに加え、イエレン議長の議会証言でも経済指標次第では早期の利上げもあり得ると発言したことが支えに。ドル円は101円75銭まで買われた。
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2014-07-16 09:30