オンコリスは反落もテロメライシンの用途特許査定を手掛かりに急騰再現思惑が底流
オンコリスバイオファーマ <4588> (東マ)は、18円安の760円と反落して始まっている。同社株は、今年6月25日に腫瘍溶解ウイルスOBP-301(テロメライシン)の用途特許が、6月17日付けで日本で特許査定されたと発表、6月26日、27日と2日間連続でストップ高、1071円まで買い進まれ、ほぼ往って来いの水準から再騰を窺っていた。しかし、前日15日発表のFRB(米連邦準備制度理事会)の「金融政策リポート」で米国市場でのネット株、バイオ株の株価行き過ぎが指摘されたことが響き、同社株にも利益確定売りが先行している。ただテロメライシンは、すでに2012年8月から岡山大学で食道癌患者を対象に放射線照射後に投与する臨床研究が進められていることなども見直されて、急騰習性の再現思惑が底流、下値買いも続いている。
■岡山大学で2012年8月から食道癌対象の臨床研究も推進
テロメライシンは、すでに日米欧各国で物質特許を保有しているが、この物質特許に加えて、放射線や既存の抗がん剤による治療で耐性を獲得した腫瘍に対する投与によって優れた有効性が期待されるがん治療法を提供するものとして用法特許が査定された。同社では、標準治療が無効となった肝臓癌の患者に対してテロメライシンを投与してその安全性、薬物動態、抗腫瘍効果を検討することを目的にPhaseⅠ/Ⅱ試験を開始し、テロメライシンの開発促進、知的財産権の強化を図る。
このテロメライシンは、同社が新規株式公開(IPO)された昨年12月6日の寄り付き前に日本で初めて岡山大学大学院・医歯薬学総合研究科の藤原俊義教授によって食道癌患者に対する第1例の投与が行われたと発表され、株価が、公開価格2600円に対して3500円と約35%高で初値をつける支援材料となった。そのIPO直後も、OBP-301の欧州での特許査定、韓国での検査薬事業推進のライセンス契約などの好材料が続き、上場来高値3750円まで買い進まれた。
ただ今12月期業績については、今年4月4日に米国ブリストルマイヤーとの抗HIV治療薬OBP-601の提携解消を発表して下方修正、通期純利益を期初予想の2100万円の黒字から10億3100万円の赤字~2億800万円の赤字へ引き下げたことで上場来安値556円まで売られた。
■最安値からNEDOの支援事業採択などの好材料が続き急速に底上げ
株価は、この最安値からOBPー601が、日本で製造方法に関する特許が登録され、エピジェネティック癌治療薬OBPー801が、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択されたことなどの好材料が続いて、959円高値まで急速に底上げして上値抵抗線となっていた25日移動平均線を上抜いた。今回のテロメライシンの用法特許査定でも2日連続のストップ高と急騰特性を発揮しており、目先売りが交錯する25線を挟む中段固めから一段の戻りにトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、18円安の760円と反落して始まっている。同社株は、今年6月25日に腫瘍溶解・・・。
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2014-07-16 10:15