インテージHDは安値圏から一本調子の上昇で1月高値を突破

  市場調査最大手のインテージホールディングス <4326> の株価は、5月19日の年初来安値1152円から切り返しの展開となり、安値圏からほぼ一本調子に上昇した。7月10日には1448円まで上伸して1月高値1413円を一気に突破した。その後は高値圏でやや乱高下する場面があったが、1400円近辺のフシを突破した形であり、好業績を期待する流れに変化はなく、短期的な自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。   13年10月に持株会社へ移行した。小売店パネル調査や消費者パネル調査などの市場調査・コンサルティング事業を主力として、システムソリューション事業などにも事業領域を広げている。   国内外における積極的なM&A戦略でグループの業容拡大を推進している。11年9月にベトナムの市場調査会社FTA、12年9月に医療情報総合研究所、12年11月に医療関連インターネット調査会社プラメド、13年8月に香港の市場調査会社CSG香港を子会社化した。さらに14年5月には子会社INTAGE INDIAがインドの市場調査会社RSMRS社の株式を取得してグループ化した。   アライアンス戦略では、12年4月にNTTドコモ <9437> と合弁会社ドコモ・インサイトマーケティングを設立、13年10月に韓国の業界4位の市場調査会社Hankook Researchと包括的な事業協力を締結、13年11月にインドネシアの市場調査会社DEKA社と合弁会社を設立している。   一段の収益力強化に向けてグループ再編も進めている。14年6月には、連結子会社アスクレップの臨床開発事業を承継したエーケーピーを伊藤忠商事 <8001> に譲渡した。経営リソースの選択と集中を進めて事業を再編し、アスクレップは医薬情報事業を継続する。   14年5月に発表した第11次中期経営計画では、重点課題として、主力事業の再強化による市場価値向上、モバイル&シングルソース・グローバル・ヘルスケア領域の着実な成長、リサーチの枠にとらわれない新たなビジネスモデルの模索と確立、最適化の視点による戦略立案・推進のマネジメント強化を掲げている。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは未定としている。連結子会社アスクレップの臨床開発事業を売却するため特別利益の計上が見込まれるが、譲渡完了まで譲渡資産の精査が必要であり、現時点で業績への影響額は未定としている。ただし主力の市場調査・コンサルティング事業が好調に推移し、経営リソースの選択と集中の効果なども寄与して好業績が期待されるだろう。配当予想は前期比2円50銭増配の年間30円(期末一括)としている。   株価の動きを見ると、5月19日の年初来安値1152円から切り返しの展開となり、ほぼ一本調子に上昇した。そして7月10日には1448円まで上伸して1月高値1413円を一気に突破した。その後は高値圏でやや乱高下する場面があったが、好業績を期待する流れに変化はないだろう。   7月16日の終値1406円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS846円49銭で算出)は1.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインのようだ。1400円近辺のフシを突破した形であり、短期的な自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
市場調査最大手のインテージホールディングス<4326>(東1)の株価は、5月19日の年初来安値1152円から切り返しの展開となり、安値圏からほぼ一本調子に上昇した。
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2014-07-17 09:00