モブキャストは短期調整が一巡、売られ過ぎ感強めて反発のタイミング

  スポーツ分野ソーシャルゲームのモブキャスト <3664> (東マ)の株価は、サッカーW杯・ブラジル大会も材料視されて5月21日安値613円から6月9日の1200円まで急伸した。その後は利益確定売りなどで反落し、7月11日には772円まで調整する場面があった。ただし終値ベースで800円台を維持して下げ渋り感を強めている。短期調整が一巡したようだ。売られ過ぎ感を強めており、収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。   プロ野球ゲーム「モバプロ」やサッカーゲーム「モバサカ」など、スポーツ分野に特化したモバイルスポーツメディア「mobcast」運営とソーシャルゲーム開発・配信を展開している。経営資源をモバイルエンターテインメント事業に集中する方針を掲げ、14年2月に子会社モブキャストグローバルのPCオンラインゲーム事業を譲渡し、14年4月にはモブキャストグローバルを当社に吸収合併した。   自社ゲーム開発を強化するとともに、プラットフォームを開放して外部ディベロッパー製のゲーム配信と海外展開も強化している。13年4月には韓国でも「mobcast」をオープンして「モバサカ」の配信を開始した。さらに13年8月には世界有数のモバイルゲームディストリビューターであるブースターメディア(オランダ)と業務提携、13年12月には韓国のモバイルゲーム大手COM2USと業務提携した。14年6月には、チームバトルゲームに定評のあるgumiと共同開発したリアルタイムサッカーバトル「チェインイレブン ワールドクランサッカー」のiOSネイティブアプリ版の配信を開始した。本格的な海外展開を予定している。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(2月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.3%増の53億円、営業利益が1億円(前期は4億45百万円の赤字)、経常利益が1億円(同4億04百万円の赤字)、純利益が1億円(同6億57百万円の赤字)の黒字化としている。   四半期ベースの営業損益を見ると前期第4四半期(13年10月~12月)の営業赤字3億01百万円に対して、今期第1四半期(14年1月~3月)の営業利益は1億65百万円の黒字となり、4億66百万円増加した。営業損益は前期第4四半期で底打ちして改善基調だろう。また今期第1四半期の営業利益と経常利益は通期見通しを超過達成している。   会社は第2四半期(4月~6月)以降の新規タイトルの寄与度が判明次第開示するとしているが、前期第4四半期にリリースした新タイトルに加えて、コーエーテクモゲームスと共同開発して5月にリリースした携帯合戦シミュレーションゲーム「モバノブ」の好調も寄与する。新規開発に係る業務委託費削減、長期固定広告削減などの効果も寄与して収益改善基調であり、通期増額の可能性があるだろう。   今期の重点戦略はサッカー分野に経営資源を集中してサッカーゲーム6タイトルを世界25カ国で展開する方針だ。サッカーW杯・14年ブラジル大会は終了したが、4年後開催のサッカーW杯・18年ロシア大会に向けて、世界各国が4年後のチーム作りを開始する。若手の発掘・育成を含めたチーム力底上げが課題だ。サッカーゲームの世界も同様だろう。   プラットフォーム「mobcast」会員数(日本と韓国の合計)は第1四半期に約30万人増加して520万人を突破した。会員数の増加、新タイトル積極投入、ブースターメディア(オランダ)との業務提携などで中期的に収益拡大が期待される。   株価の動きを見ると、5月21日の年初来安値613円から切り返しの展開となり、サッカーW杯・ブラジル大会も材料視されて6月9日の1200円まで急伸した。その後は利益確定売りなどで反落し、7月11日には772円まで調整する場面があった。ただし終値ベースで800円台を維持して下げ渋り感を強めている。短期調整が一巡したようだ。   7月16日の終値817円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円20銭で算出)は113倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS131円96銭で算出)は6倍近辺である。週足チャートで見ると再び26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%超まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
スポーツ分野ソーシャルゲームのモブキャスト<3664>(東マ)の株価は、サッカーW杯・ブラジル大会も材料視されて5月21日安値613円から6月9日の1200円まで急伸した。
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2014-07-17 09:15