キムラユニティーは戻り歩調の展開で13年5月高値目指す

  総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は戻り歩調の展開だ。5月安値901円から切り返し、7月8日には968円まで上伸した。足元は上げ一服の形だが強基調に転換した流れに変化はなく、好業績や中期成長力を評価して、13年5月高値1030円を目指す展開だろう。今期(15年3月期)業績の上振れ余地や指標面の割安感も支援材料だ。   トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業である。車両リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野を中心としたシステム開発などの情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。13年12月には日本最大級の軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。   物流サービス事業ではネット通販市場の拡大も追い風として、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)事業の新規顧客開拓や生産性改善を推進している。14年4月にはスズケン <9987> の物流センター業務のうち庫内物流業務を請け負うため千葉県印西市に印西事業所、14年5月には東芝ロジスティクスの物流業務を請け負うため神奈川県川崎市に川崎事業所を開設した。   海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から、倉庫内物流請負を新規受注した。さらに受注拡大が見込まれており、7月14日には新倉庫「グリーンヒル倉庫」が竣工・稼働した。米国子会社の一段の収益拡大が期待されるだろう。また中国では自動車保有台数の増加に伴って、中期的に補修部品の需要が拡大基調である。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月25日公表)は売上高が前期比10.2%増の450億円、営業利益が同3.6%増の17億50百万円、経常利益が同6.2%減の20億円、純利益が同6.2%減の11億50百万円、配当予想が前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。   前期1億30百万円の経常増益要因となった営業外収益での為替差益を、今期は見込んでいないため経常利益と純利益は減益見通しだが、物流サービス事業と自動車サービス事業が牽引して増収営業増益の見通しとしている。想定為替レートは1米ドル=101円としている。   セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画を見ると、物流サービス事業はトヨタ自動車関連が堅調に推移し、NLS事業での新規顧客獲得効果や、中国および米国子会社での物量増加も寄与して同2.9%増の288億60百万円、自動車サービス事業は自動車販売のスーパージャンボの連結も寄与して同28.1%増の147億85百万円、情報サービス事業は同12.1%増の12億円、人材サービス事業は同6.3%減の6億30百万円、その他事業は同1.2%減の45百万円としている。   利益面では国内の単価改正や人件費増加がマイナス要因となるが、増収効果や原価改善効果で吸収して営業増益見込みだ。なお北米子会社の新倉庫は14年7月稼働のため今期は半期分の寄与となる。期初時点では営業外収益での為替差益を見込まず、全体として保守的な業績見通しを公表する傾向が強いだけに、生産性改善効果も寄与して通期業績見通しには上振れ余地があるだろう。   NLS事業は新規顧客開拓が順調に進展し、今期の売上高見通しが80億円強となり、中期的な目標としていた売上高100億円の達成が視野に入ったため、新中期経営計画では目標値を再設定するようだ。中期的にも物流サービス事業が牽引して収益拡大基調だろう。   なお株主優待については、毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じてお米券を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有する株主に対しては、長期優待が上乗せされる。   株価の動きを見ると、5月21日と5月22日の安値901円から切り返して戻り歩調の展開となり、7月8日には968円まで上伸して1月の年初来高値1002円に接近した。足元は上げ一服の形だが下押す動きは見られない。強基調に転換した流れに変化はないだろう。   7月16日の終値956円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円29銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1910円73銭で算出)は0.5倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。強基調へ転換した流れであり、好業績や中期成長力を評価して1月の年初来高値1002円、そして13年5月高値1030円を目指す展開だろう。今期業績の上振れ余地や指標面の割安感も支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は戻り歩調の展開だ。5月安値901円から切り返し、7月8日には968円まで上伸した。足元は上げ一服の形だが強基調に転換した流れに変化はなく、好業績や中期成長力を評価して、13年5月高値1030円を目指す展開だろう。
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2014-07-17 09:15