東洋ドライルーブは1月と2月の年初来高値に接近の場面

  ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ <4976> (JQS)の株価は、5月安値1488円から切り返し、6月16日には1700円まで戻して1月と2月の年初来高値1735円に接近する場面があった。その後一旦反落したが、5月安値水準まで下押す動きは見られず概ね1600円台で推移している。低PERと低PBRも評価して出直りの流れに変化はなく、1月と2月の高値を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。   ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造も展開している。中期成長に向けた事業戦略では、新製品開発とアジア地域を中心としたグローバル展開を推進している。   ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッド配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。   前期(14年6月期)の連結業績見通し(13年8月5日公表)は売上高が前期比5.6%増の50億05百万円、営業利益が同14.2%増の4億15百万円で、経常利益が同17.3%減の4億60百万円、純利益が同9.3%減の2億89百万円、そして配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。   営業外収益での外貨建て資産為替評価益の減少を見込んで経常減益、最終減益の計画だが、ドライルーブ事業は主力の自動車関連が好調に推移し、海外子会社での光学機器関連の受注増加も寄与して増収、営業増益見込みだ。ドライルーブ事業の需要先別売上高の計画は、自動車が同2.8%増の35億51百万円、電子部品が同16.4%増の4億69百万円、光学機器が同9.9%増の4億31百万円、その他が同13.2%増の5億33百万円としている。   通期見通しに対する第3四半期累計(13年7月~14年3月)の進捗率は売上高が79.5%、営業利益が81.0%、経常利益が75.9%、純利益が66.4%と高水準だった。第4四半期(4月~6月)は消費増税の影響など不透明要因が多いとして通期見通しを据え置いたが、原価低減なども寄与して通期営業利益は増額の可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、5月13日安値1488円から切り返しの展開となった。6月16日には1700円まで戻して1月と2月の年初来高値1735円に接近する場面があった。その後は一旦反落したが、5月安値水準まで下押す動きは見られず概ね1600円台で推移している。出直りの流れに変化はないようだ。   7月17日の終値1600円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS218円87銭で算出)は7~8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS3945円33銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると6月の戻り高値から一旦反落したが、26週移動平均線がサポートラインとなって下げ渋る動きだ。低PERと低PBRも評価して出直りの流れに変化はなく、1月と2月の高値1735円を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ<4976>(JQS)の株価は、5月安値1488円から切り返し、6月16日には1700円まで戻して1月と2月の年初来高値1735円に接近する場面があった。
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2014-07-18 09:00