チムニーは日柄整理の最終局面、収益拡大基調を評価して4月高値圏を目指す

  大手居酒屋チェーンのチムニー <3178> の株価は、急伸した4月の上場来高値2675円から反落後は、やや上値の重い展開となった。ただし2000円近辺では下げ渋りの動きを強めている。急伸後の日柄整理のほぼ最終局面のようだ。主要株主との連携強化の効果も期待され、収益拡大基調を評価して4月の高値圏を目指す展開だろう。   売上高が業界5位規模の居酒屋チェーンで、漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを強化している。仕入れ面では子会社の魚鮮水産が愛媛県で漁業権を保有し、13年には新たに2つの買参権を取得した。   飲食事業は、居酒屋業態「はなの舞」や「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、13年5月に1号店を出店した軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」の新規出店も推進している。13年7月には新業態を推進する子会社「めっちゃ魚が好き」を設立した。   コントラクト事業は、居酒屋事業で培った店舗運営ノウハウを活用して、官公庁の施設内を中心に受託食堂を展開している。店舗メニューの見直しや人員配置の再構築で収益力強化を目指し、14年4月には新たに船橋中央病院(千葉県船橋市)における食堂事業を受託している。   今期(14年12月期)連結業績見通し(2月7日公表)は売上高が464億24百万円、営業利益が32億60百万円、経常利益が33億07百万円、純利益が15億87百万円としている。連結初年度のため単純比較はできないが前期非連結業績との比較で見ると5.4%増収、5.2%営業増益、3.2%経常増益、10.9%最終増益となる。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。   既存店売上高は前期比96.0%、グループ全体の売上高は同3.4%増の700億円、新規出店は直営30店舗、FC5店舗、閉店は直営10店舗、FC10店舗の計画としている。消費増税の影響で客数減少を見込み、既存店売上高はマイナスの計画だが、新規出店・店舗改装・業態転換の効果に加えて、仕入価格見直しやメニュー改定による原価安定化、業務効率化や経費コントロール徹底などの効果も寄与して増収増益見込みだ。漁場直送の鮮魚を取り扱う「豊丸水産」業態の新規出店も推進するようだ。   月次の売上動向(直営店全業態、前年比)を見ると、14年6月は既存店が96.4%、全店が97.4%だった。天候不順も影響して客数がやや低調だったが、客単価は既存店が101.4%、全店が102.7%と好調だった。また14年1月~6月累計売上高は既存店が98.9%、全店が101.0%となった。既存店売上は計画を上回る水準で推移している。   6月の出店状況は、新規出店が2店舗、退店が6店舗で、14年6月末の店舗数は直営400店舗(うちコントラクト100店舗)、FC298店舗の合計698店舗となった。この他に、子会社の紅フーズコーポレーション「新橋やきとん」14店舗、めっちゃ魚が好き「豊丸」「鶴金」9店舗がある。   親会社やまや <9994> との連携については酒類の共同調達、新商品の調達、物流、物件開発など広範囲にわたる双方へのメリットが出る施策を進めていく予定だ。また14年3月には、アサヒグループホールディングス <2502> 傘下のアサヒビールが、投資ファンドの米カーライル・グループが保有する当社株式を買い取って当社に資本参加した。やまや、アサヒビールとの連携強化の効果が期待され、中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動き(14年3月4日付で東証2部から東証1部へ指定替え)を見ると、急伸した4月18日の上場来高値2675円、および4月30日の戻り高値2625円から反落後はやや上値の重い展開となった。ただし2000円近辺では下げ渋りの動きを強めている。日柄整理のほぼ最終局面だろう。   7月17日の終値2045円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS84円38銭で算出)は24~25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績の非連結ベースのBPS601円58銭で算出)は3.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。日柄整理が一巡して4月の高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東1)の株価は、急伸した4月の上場来高値2675円から反落後は、やや上値の重い展開となった。
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2014-07-18 09:15