【為替本日の注目点】緊張高まり円全面高、株価急落リスク回避の円高進む
NY市場
ウクライナでマレーシア機がミサイル攻撃で墜落したとの報道で円が全面高の展開に。株価が大幅に下落し、長期金利も大きく低下したこともあり、ドル円は一時101円14銭まで円高が進む。
ユーロドルは1.35台前半でもみ合ったが、円に対しては急落しユーロ円は今年2月以来、半年振りの円高水準に。
株式市場は大幅に反落。中東の混乱に加え、ウクライナでマレーシア機が撃墜されたとの報道でリスクオフが急速に高まり、ダウは161ドル下落し1万7000ドルの大台を割り込む。
リスクオフが急速に高まったことから、債券には買いが集まり大幅高。長期金利は今年3月以来となる2.44%台まで低下。
リスク回避の流れから金は大幅高。原油も中東での緊張の高まりから大幅高となり103ドル台まで上昇。
新規失業保険申請件数 → 30.2万件
6月住宅着工件数 → 89.3万件
6月建設許可件数 → 96.3万件
7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 23.9
ドル/円 101.14~ 101.58
ユーロ/ドル 1.3516 ~ 1.3535
ユーロ/円 136.81 ~ 137.39
NYダウ -161.39 → 16,976.81ドル
GOLD +17.10 → 1,316.90ドル
WTI +1.99 → 103.19ドル
米10年国債 -0.088 → 2.442%
本日の注目イベント
米 7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
米 決算発表 →GE
加 カナダ6月消費者物価指数
今年は、よく突発的な「円買い材料」が起こります。マレーシア航空機がウクライナでミサイル攻撃を受け墜落したとのニュースに、緊張が高まり安全通貨の円が全面高になりました。ウクライナ政府は、マレーシアの航空機が反政府勢力のミサイル攻撃を受け墜落したと発表しました。親ロシア派は今のところ関与を否定していますが、ウクライナ東部上空では親ロシアによる攻撃がこれまでにも確認されており、今後の真相究明が待たれます。ロシア政府はプーチン大統領が犠牲者の遺族に対して哀悼の意を表明したと発表しています。
ミサイル攻撃が親ロシア派の行動なのかどうかはこれから判明してくると思いますが、今朝のブルームバーグはインタファクス発として、プーチン大統領が狙われた可能性もあると伝えています。墜落したマレーシア機は、大きさや色が大統領機と似ており、プーチン大統領はブラジルでの「BRICS」サミットを終えて帰国途上にあり、同機は墜落したマレーシア機とワルシャワ付近で交差したと報じています。
これらの情報に加え、イスラエル軍がガザ地区への地上侵攻を始めたことでリスク回避の流れが一気に高まり、為替市場では円が買われ、株式市場では株価が大幅安となり安全資産の債券が買われています。
ドル円は101円割れを目指しそうな状況になって来ました。この状況は「ドルが売られている」のではなく、「円が買われている」状況と見ることができます。それはドルストレートを見れば解りますが、ユーロドルなどは1.35台前半でもみ合いが続いており、もしドル安であればユーロドルは大きく上昇しているはずです。
ドル円はやや下げ足を早め、101円を維持できるかどうかを試す展開です。NY株式市場の急落で、今朝の日経平均株価の動向が非常に注目されます。下落は避けられないところですが、どの程度の下げ幅で留まるかという点と、もともと高値警戒感のあったNY株式市場が、今回の事件をきっかけに下落基調に転じるかどうかにも注意したいところです。また、2.45%~2.65%でもみ合っていた米長期金利が、下限を割り込んできたことも気がかりです。
今日の動きと、週末の海外市場の動きには十分注意が必要です。低ボラティリティーが続いていたドル円も、さすがにボラは5.55%まで上昇して来ました。予想レンジは100円70銭~101円50銭程度と見ていますが、リスクは円高方向だと思われます。
またまた降って沸いたような「円高材料」です。それにしても今年のマレーシア航空は災難続きです。世界の航空需要は今後も急速に伸びると言われていますが、海外旅行をする際には利用する航空会社も選ばなくてはいけなくなりそうです。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ウクライナでマレーシア機がミサイル攻撃で墜落したとの報道で円が全面高の展開に。株価が大幅に下落し、長期金利も大きく低下したこともあり、ドル円は一時101円14銭まで円高が進む。
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2014-07-18 09:45