トレックスセミは反落スタートも業績続伸・大幅増配を見直し下げ過ぎ訂正余地
トレックス・セミコンダクター <6616> (JQS)は、115円安の3475円と急反落してスタートしている。ウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜され、中東地域の地政学的も高まったことから、前日の米国市場でNYダウが161ドル安と急落し、きょうの東京市場でも、日経平均株価が、251円安と急反落して始まっており、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただこの突っ込み場面では、同社の今3月期経常利益が、2ケタ増益と続伸し、配当を年間100円(前期実績40円)に大幅増配することを見直し割安修正買いも交錯している。テクニカル・チャート的にも、今年4月につけた上場来高値5300円から5月の同安値2903円への調整幅の半値戻しを達成し、3分の1戻し水準で中段固めを続けており、8月12日に発表が予定されている今期第1四半期(1Q)決算を先取り上放れ期待を続いている。
■アナログ電源ICで市場競争力を発揮し新規顧客を開拓
同社の今期業績は、売り上げ104億円(前期比10.7%増)、営業利益15億円(同6.0%増)、経常利益15億円(同12.0%増)、純利益11億円(同18.9%減)と予想され、経常利益は市場コンセンサスをほぼクリアし、減益転換を予想している純利益も、市場コンセンサスを上回っている。同社の主力製品のアナログ電源ICは、2013年時点の世界市場が8755億円に達し、今後も年率4.70%の高成長が予測されており、このなかでも同社は、アナログ比率が100%と海外競合メーカーに比べて競争有利にあり、とくに小型化・省電力化・高温動作保証などが求められる産業機器向け、車載機器向け、ウェラブル端末機器向けに新規顧客の開拓と既存顧客との取引深耕を進め、前工程を工場を持たないファブレスとする独自のビジネスモデルなどで市場競争力の強い製品コストを実現していることが、要因となる。
このアナログ電源ICの高成長性から、同社は中期経営計画で3年度の2017年3月期の売り上げを120億円強、営業利益を20億円と高収益体質とすることを目標にしている。
配当は、今年4月の新規株式公開(IPO)時に新興市場のIPO株として前期配当を40円と実施すると発表し、続く今期は、年間配当性向を20%以上とする株主還元方針に基づき100円に大幅増配する。
■PER8倍台、PBR1倍ソコソコの割安修正で全値戻しも視野
株価は、今年4月8日にIPOされ、初値は公開価格5000円を下回る4480円でつけたが、前期配当の実施や前期業績の続伸予想などを見直し評価不足として上場2日目にストップ高して上場来高値5300円まで急伸した。その後、IPO人気の一巡で上場来安値2903円と2400円幅の調整となったが、下げ過ぎとして半値戻しの4195円まで反発し、3分の1戻し水準でももみ合いを続けている。PERは8倍台、PBRは1.01倍、配当利回りは2.87%となお割安であり、まず半値戻し水準まで下値を切上げ、相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」も視野に入れよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
トレックス・セミコンダクター<6616>(JQS)は、115円安の3475円と急反落してスタートしている。
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2014-07-18 10:15