資生堂、新「エリクシール」10月発売に向け新マーケティング宣言

 資生堂 <4911> は2014年7月18日、東京・恵比寿で「新世代エリクシール発表会」を開催し、今年度から本格化させているマーケティング改革の第2弾プランドとして主力スキンケアブランドの「エリクシール」を新世代ブランドに進化させると発表した。資生堂代表取締役執行役員社長の魚谷雅彦氏は、新世代「エリクシール」の発表に合わせて、「一気通貫でお客さま価値を最大化し、ブランド別収益管理の徹底を行う」と、“新マーケティング宣言”を行った。(写真は、新たなマーケティング戦略について語る資生堂の代表取締役執行役員社長、魚谷雅彦氏。サーチナ撮影)  魚谷氏は、新しいマーケティングについて、「優れた研究開発による高い技術力を背景として従来は、技術やモノに依存した商品開発を行う傾向があった。これを、お客さまインサイト起点に改める。そして、商品の企画・開発から店頭までブランドマネージャーが責任を持って一気通貫で管理する体制にする」と語っている。ブランドマネジメント制を導入することに合わせ、ブランドごと、販売店舗(アカウント)別に日々の売り上げ実績が可視化できるシステムを構築。「今後は、画一的な売場やマス広告を改め、販売店ごとに個別の売場づくりを進める」としている。  新世代「エリクシール」については、ブランドマネージャーにマーケティング部の横田由香氏が就いてマーケティング戦略を立案し、実行している。横田氏は、顧客調査に基づく「エリクシール」のブランドとしての課題と、今後のブランドの価値創造の方向性を、店頭やリサーチセンター、営業担当など様々な関係者と関わって全体をマネジメント。「エイジングケアのスタンダードとしての強みを残しつつ、サイエンスに裏付けられた機能を強化する」、「肌でわかる“細胞”に焦点を当てた機能を強化する」、「宣伝と店頭のプロモートが分離されている現状を変える」など、新しいマーケティングプランを策定した。  2014年10月21日に新発売する新世代「エリクシール」は、化粧水、乳液などについて「湧き上がるようなハリと透明感あふれる肌へ導く」というテーマを設けた。資生堂が30年以上にわたって研究してきた「コラーゲン」の最新研究成果に基づいて、「自分自身にあるコラーゲンを産生するメカニズムを引き出す。コラーゲンを“与える”から“つくりだす”へ」という、まったく新しい価値を提供する商品に進化させた。  新商品のプロモーションには、篠原涼子さんを継続起用するとともに、新たに滝川クリステルさんを起用し、10月下旬から、テレビCM・雑誌広告・ウェブ広告を展開する。  また、「組織の壁を越え、企画部門と販売第一線が一体となり、“戦う集団”へ!」(社長の魚谷氏)という掛け声のもと、管理部門の内勤社員も含む全社員による「3days売場変更施策」を計画。販売店の売場に相応しいディスプレイ等の提案を実施する他、過去最大規模の「400万人サンプリングキャンペーン」を展開する。  さらに、主要8都市ではブランド体感イベントを計画。「現在、エイジングケアブランドとして国内シェア4位の状況から、2014年中に3位に。そして、2016年にはシェア1位に。さらに、2020年には2013年度に280億円だったブランド売上高を500億円を突破させる」(ブランドマネージャーの横田氏)という目標に挑戦する。  魚谷氏は、今回の新世代「エリクシール」で取り組む新しいマーケティングについて、「ICHIGAN(イチガン)Project」と命名。既に、全国の拠点から100名の「リーダー」を任命し、10月の発売に向けた運動をスタートさせている。(取材・編集担当:徳永浩)
資生堂は2014年7月18日、「新世代エリクシール発表会」を開催し、主力スキンケアブランドの「エリクシール」を新世代ブランドに進化させると発表した。(写真は、新たなマーケティング戦略について語る資生堂の代表取締役執行役員社長、魚谷雅彦氏。サーチナ撮影)
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2014-07-18 18:00