今週の為替相場見通し(2014年7月21日-)=為替王

 先週は「地政学的リスク」の高まり(ウクライナの飛行機撃墜、イスラエルの地上侵攻)もあって、為替は円高に進む場面もありました。ただ、短期的には過剰反応(円が買われすぎ)との見方もあり、週末にはいくらか円安方向に戻りました。  さて今週の見通しについてですが、米ドル円は引き続き、重要な局面に差し掛かっていると見ています。重要ポイントは何度も言及していますが101円台前半。先々週も先週も101.0円台までは下がるものの、101円を割れることはありませんでした。強力に101円の水準で下支えされているようにも見えますが、ただ、細かく分析しますと、そろそろ重要ポイントを割れる可能性が高いと予想してもよいのではないかと考えます。いくつかの短期的なチャート分析において下方への動きを示唆するシグナルも出ています。  もしもこの101円の重要ポイントを割れてしまうと判断するならば、今年これまでなかったような大きなトレンド(円高トレンド)が発生する可能性が出てきます。大雑把にいって現行水準から10円程度、一時的には90円を割れるほど下落が進行するシナリオも想定しなければならない状況になるのではないかと考えます。現時点ではまだ100円の大台はおろか、101円台すら割れていない状況で、そこまで予想するのは大胆すぎるような気もしますが、ただ、小さな値動きが長期化した後に大きな動きが生じるのは、昔から何度も繰り返されてきた為替相場の法則でもあります。  ユーロ円や豪ドル円などについて、先週はもう一段の下落もあるのではないかと見ていましたが、週末は一旦、反発しました。現時点では、上昇に転じたというよりは、まだ反発の域を出ておらず、再度、下落に向かうリスクは残っていると判断します。豪ドル円は、先週の安値圏である94円台半ばの水準がポイントになります。先週の安値圏を目指して割り込めば、従来の下落ターゲット93円へそのまま向かう可能性が高まると考えます。  ユーロについてはまず、ユーロドルの方向性が引き続き下向き。最大で1.32~1.31台へ下落が拡大するリスクを潜在的に抱えた状態と判断します。その判断が正しいとの前提に立てば、ユーロ円も下方に引きずられやすくなります。先週ブログで書きましたように、135~134円台へ向かうシナリオを想定しておきたいと考えます。  最後にポンドについて。ポンド円も下方へ崩れる兆候はいくつか出ており、短期的に170円を割れて169円台あたりがターゲットになると考えます。(執筆者:為替王)
先週は「地政学的リスク」の高まり(ウクライナの飛行機撃墜、イスラエルの地上侵攻)もあって、為替は円高に進む場面もありました。ただ、短期的には過剰反応(円が買われすぎ)との見方もあり、週末にはいくらか円安方向に戻りました。
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2014-07-21 09:45