【為替本日の注目点】地政学的リスクも為替への影響は限定的、大きな値動き期待薄
NY市場
ドル円はマレーシア機の墜落でロシアへの批判が高まる中、101円台前半で小動き。先週末の水準からややドル高に振れたものの上値も限定的。
ユーロドルも1.35台前半でもみ合う。ドイツの生産者物価指数も市場予想通りで材料にはならず。ユーロ円は一時137円台を割り込んだが、値動きは乏しい。
株式市場は反落。ウクライナ情勢の緊迫化や中東情勢の悪化が売りにつながった。ダウは48ドル下落し1万7051ドルに。
債券相場は反発。米国をはじめオランダ、オーストラリアの首相がロシアに対する批判を強め、追加制裁の拡大につながる可能性が高まったことが背景。長期金利は2.46%台まで低下。
中東情勢を受けて金、原油は続伸。
ドル/円 101.27~ 101.40
ユーロ/ドル 1.3514 ~ 1.3526
ユーロ/円 136.92 ~ 137.14
NYダウ -48.45 → 17,051.73ドル
GOLD +4.50 → 1,313.90ドル
WTI +1.46 → 104.59ドル
米10年国債 -0.015 → 2.469%
本日の注目イベント
中 中国 6月景気先行指数
米 6月消費者物価指数
米 5月FHFA住宅価格指数
米 6月中古住宅販売件数
米 7月リッチモンド連銀製造業指数
マレーシア機の撃墜を巡って、オバマ大統領は「ロシアに責任がある」と発言し、ロシアが武装勢力への影響力を行使しなければ、さらなる制裁もあると演説しました。今回の民間航空機撃墜事件に加え、パレスチナ自治区ガザではイスラエルによる軍事作戦で多くの犠牲者が出ており、こちらでもオバマ大統領は難問を抱えており、地政学的リスクは徐々に高まっています。
ただそれでも為替への影響は限定的で、安全通貨の円が買われてはいるものの、大きな値動きはありません。NY株式市場も、墜落報道があった日には170ドル程下げたものの、先週末には大きく値を戻すなど、それ程リスク回避の動きが強まっている状況でもありません。昨日のNYでは株価が再び下げ、長期金利がやや低下していますが、ドル円は101円40銭前後で変化はありません。
オバマ大統領は21日ホワイトハウスで、「責任は今、ロシア側にある」と表明。ロシアが武装組織に協力を説得しなければ「ますます国際社会から孤立を深め」、代償は「高くなるだけ」と述べていることで、今週にも新たな制裁が発動される可能性が高まっています。今回の事故で犠牲者が多かったオランダのルッテ首相も同国国会で同じような発言を行っています。
ドル円は101円~101円50銭の狭いレンジで推移しており、「日足」では先週この欄で述べたように、「雲」が下方に移動しており、現在では102円台に乗せれば雲の上限を抜ける格好になっています。しかもこの「雲」は薄く、抜けやすい状況でもあります。それでも「日足」チャートを見る限り、「MACD」がマイナス圏にいることなどを考えると、上昇トレンドは見い出せません。
一方「1時間足」を見るとやや上昇傾向が見られます。まだ微妙な位置にいますが、「MACD」はプラス圏まで上昇しており、「雲」も抜けそうな位置にいます。上昇トレンドと判断されそうな状況としか言えません。今週も決め手となるような重要な経済指標の発表がないため、ウクライナ情勢の成り行きと、中東情勢が相場を左右すると見られますが、大きな値動きは期待できそうもありません。本日のレンジは101円~101円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はマレーシア機の墜落でロシアへの批判が高まる中、101円台前半で小動き。先週末の水準からややドル高に振れたものの上値も限定的。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-07-22 09:30