ニチハは連日の安値更新も下げ過ぎ訂正へ突っ込み買い対応に再考余地
ニチハ <7943> は、3円高の1003円と3営業日ぶりに小反発して始まったあと、6円安の997円と売り直され、3連休前の18日ザラ場につけた年初来安値998円を連日、更新している。7月31日に迫っている今3月期第1四半期(1Q)決算の発表を前に、今3月期通期純利益の前期過去最高からの一転した減益転換予想や減配を改めて嫌う見切り売りが続いているものだが、投資採算的にもテクニカル的にも明らかに売られ過ぎである。とくに株価は、「アベノミクス」スタート前の水準まで大きく調整しており、ここは突っ込み買いに再考余地がありそうだ。
■31日発表予定の1Q決算で減益転換業績を再確認し悪材出尽くしも
同社の株価は、今年5月13日に発表した今2015年3月期業績を減収減益転換と予想、配当も、前期の増配から減配と予想、今期業績が連続過去最高更新と予想した市場コンセンサスを下回ったことで1001円安値をつけ、いったんは1198円まで戻したものの、ここにきて再調整、年初来安値と2012年12月以来、約1年7カ月ぶりの安値まで落ち込んだ。この前回の900円台からの株価上昇は、「アベノミクス」の政策支援とともにスタートしており、昨年5月には1699円高値まで買い進まれ7割高しており、再現思惑も強めそうだ。
同社の前期業績は、前々期業績と同様に期中に再三の上方修正をし、増配も相次いだが、今期業績は、売り上げ1080億円(前期比5.4%減)、経常利益75億円(同20.2%減)、純利益46億円(同18.4%減)と予想、前期の過去最高からの2ケタ減益を予想、利益は、市場コンセンサスを約9億円も下回った。前期業績は、窯業系外装材の窯業系サイディングの販売数量が、消費税増税前の駆け込み需要などにより前々期比12.1%増、販売単価も0.7%増と好調に推移したが、今期はこの駆け込み需要の反動で、販売単価は前期比0.8%増と続伸するものの、販売数量を8.4%減と想定したことが要因となる。
この減益転換予想が、想定通りに推移しているのか、7月31日発表の今期1Q業績が、前年同期の連続増益業績から減益転換して着地するのかにより確認することになり注目を集める。悪材料出尽くし感を強める展開も想定される。
配当も、前期に連結配当性向を20%以上とする利益還元政策に基づき期中2回の増配を発表、年間31円(前々期実績25円)に引き上げたが、今期は、業績減益転換予想から25円と減配を見込んでいる。
■1年7カ月ぶり安値でPERは7倍台、PBRは0.6倍
株価は、今年1月の年初来高値1590円から全般相場の調整とともに下値を探り、4月には前期業績を再々上方修正、再増配も発表したが、すでに消費税増税の駆け込み需要の反動減を懸念して反応薄で推移、今期業績の減益転換・減配予想で1000円台を試す下値確認が続き、足元は、1年7カ月ぶりに4ケタ台割れとなった。PERは7倍台、PBRは0.6倍、配当利回りは2.5%、25日線との10%超のマイナスかい離と下げ過ぎであり、突っ込み買い妙味を示唆している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ニチハ<7943>(東1)は、3円高の1003円と3営業日ぶりに小反発して始まったあと、6円安の997円と売り直され・・・。
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2014-07-22 10:45