【為替本日の注目点】米指標好調でドル円上昇も限定的、ユーロ安進み豪ドルは堅調

 NY市場  ドル円は底堅い動きを見せ、一時101円60銭まで上昇。中古住宅販売が好調だったことで、ドルが主要通貨に対して上昇した流れに円売りが優勢となった。   ユーロドルはさらに下落し、昨年11月以来となる1.34台半ばまでユーロ安が進行。米消費者物価指数は市場予想と一致したが、ユーロ売りのきっかけになったとの指摘も。ユーロ円も約5ヶ月振りに136円台半ばに。   株式市場は反発。好調な企業決算とウクライナ情勢がやや好転したことを受けダウは61ドル上昇し、1万7100ドル台を回復。   債券相場は小幅に続伸。中東情勢が依然として緊迫していることから債券価格はやや上昇。30年債利回りは一時3.24%まで低下し、1年ぶりの低水準に。   金、原油価格はともに反落。   6月消費者物価指数       → +0.3%   5月FHFA住宅価格指数    → +0.4%   6月中古住宅販売件数      → 504万件   7月リッチモンド連銀製造業指数 → 7   ドル/円 101.33~ 101.60  ユーロ/ドル 1.3459 ~ 1.3496  ユーロ/円 136.58 ~ 136.97  NYダウ +61.81  → 17,113.54ドル  GOLD -7.60  → 1,306.30ドル  WTI -0.17    → 104.42ドル  米10年国債 -0.003 → 2.466%  本日の注目イベント  豪   豪第2四半期消費者物価指数   欧   ユーロ圏7月消費者信頼感(速報値)   英   BOE議事録   加   カナダ5月小売売上高   米中古住宅販売が好調だったことや、6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想通りだったものの依然として高水準であったことを受け、ドルは主要通貨に対して買われ、ユーロドルは1.34台半ばまで下落し、昨年11月以来となるユーロ安水準をつけています。特にユーロが大幅に売られる材料は見あたらなかったものの、市場はCPIなど、ユーロ売りのきっかけを探していたといった声も聞かれました。基本的には出口に向かって歩みを進めている米国と、今後さらに追加緩和策が検討されているユーロ圏との政策の違いが現れた形になってきました。  ユーロは対円でも136円台半ばまで下落し、約5ヶ月振りの安値をつけただけではなく、対豪ドルでも1.43割れ目前まで売られ、こちらも昨年11月以来の安値を記録しています。ECBは来月にも新たな緩和策を導入するとの見方があり、ユーロが一段と売られるリスクが高まってきたように思えますが、ユーロ圏の国債には資金流入が続いており、個人的にはここから大きくユーロが下落することには懐疑的です。  ユーロ安が進んでいる一方で、豪ドルは堅調です。オーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁は昨日、政策には満足しており、必要に応じて追加策を打ち出す用意があると述べていました。豪ドル高は素直にこのニュースに反応したものと思われますが、本日10時30分に発表される、4-6月期の消費者物価指数には注目する必要があります。市場予想より強めの数字が出ると、利上げ観測につながるため豪ドルがさらに上昇することも予想されるためです。市場予想は前期比0.5%の上昇と見ています。  マレーシア機撃墜に関しては、やや状況が好転してきました。犠牲者の遺体の移送が始まり、撃墜時の状況を分析するためのブラックボックスがマレーシアの担当者に引き渡されました。プーチン大統領も親ロシア派の武装勢力に対して協力を呼びかけたとも報道されています。マレーシア機攻撃の真相が解明できれば、欧米がどのような制裁を加えるのかも明らかになってきます。まだ緊張が続くことからドル円の上昇も限定的と見られます。  ドル円は101円60銭まで反発したことで、短期的には上昇傾向が見られます。現在「4時間足」の「雲」に上昇を抑えられている状況ですが、この「雲」も「日足」と同様に下方に水準を切り下げて来ているため、「抜けやすい」状況です。仮にドル円が101円80銭レベルを超えた時には注意が必要です。本日のレンジは101円10銭~101円80銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は底堅い動きを見せ、一時101円60銭まで上昇。中古住宅販売が好調だったことで、ドルが主要通貨に対して上昇した流れに円売りが優勢となった。 
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2014-07-23 09:30