株価急騰のブラジル、注目は大統領選挙=為替王

 世界中が「ウクライナの飛行機撃墜」や「イスラエルの地上侵攻」などで緊迫し、株式市場が揺れ動いた中、お構いなしに今月、株価が急騰している国があります。どこでしょうか?答えは、ブラジルです。 ■焦点はブラジル大統領選挙  ブラジルといえばサッカーのW杯が開催されましたので、経済効果などで株価が上がっているのかといえば、実はそうではありません。今月、株価急騰の原動力になっているのは、今年10月に予定されているブラジルの大統領選挙の動向です。 ■現ルセフ大統領、経済失政の4年間  現在のブラジル大統領は、4年前に初の女性大統領として話題になったルセフさん。就任当初は女性ということもあって国内外から注目されて国民の人気も高くて期待されたのですが、結果は、まったくの期待外れ。かつてのブラジルは、新興国として世界中から期待されて経済成長も目覚しかったのですが、ルセフ大統領が就任してから完全に失速。鳴かず飛ばずの低成長が続き、今年はマイナス成長に陥る可能性が指摘されるほど経済状況は悪化しています。 ■大統領が苦戦 ⇒ 株価急騰!  サッカーのW杯でブラジルが敗退してから、国民の注目は大統領選挙に移りました。今月、ルセフ大統領の支持が低下しているとのニュースが出たり、実際に世論調査で苦戦が明らなことが報じられるたびに、株価は飛び跳ねるように上昇。今月だけでブラジル株価指数は8%も上昇しました(※21日現在)。雰囲気的には、民主党政権が終わることが期待されて株価が上がり始めた2012年暮れの日本に少し似ています。 ■ブラジル大統領選挙の焦点  ルセフ大統領は、民間の経済に過度に介入して成長を阻害したとの批判の声も多いのですが、政権交代すればブラジル経済が必ず復活するかといえば、そうとも言えません。ルセフ政権の4年間で大幅に悪化した財政の改善など課題が山積みです。この先、10月の大統領選挙までに対立候補らがどんな具体策を掲げて、それがどれくらい国民の支持を集めるのかが注目されます。(執筆者:為替王)
世界中が「ウクライナの飛行機撃墜」や「イスラエルの地上侵攻」などで緊迫し、株式市場が揺れ動いた中、お構いなしに今月、株価が急騰している国があります。どこでしょうか?答えは、ブラジルです。
economic
2014-07-23 15:45