中国のシェールガス開発状況と今後の展望

中国のASIACHEMコンサルティングが19日に発表した中国のシェールガス開発状況に関するレポートでは、2014年上半期に中国石油化学工業(シノペック)の「フ陵シェールガス田」(重慶市フ陵区)が大規模商業開発段階に入ったことを大きな進展と評価する一方、中国のシェールガス開発は全体的に見ればまだ初期の探鉱段階にとどまっているとしている。
中国国土資源部によると、現時点での国有石油大手のシェールガスの年間生産能力は、シノペックが10億立方メートル、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が3億立方メートル、延長石油が1億立方メートル。
2014年4月末までに、中国ではシェールガス開発に150億元以上が投資された。累計322本のシェールガス坑井が掘削され、このうち、調査井は108本、探査井は118本で、評価井(水平井)は96本になった。二次元地震探査は1万9139キロメートル、三次元地震探査は1451平方キロメートルとなり、炭鉱地域は6~10万億立方メートルに及んだ。また、入札等を通じてシェールガス探鉱権52件が企業等に与えられ、探鉱面積は16万4000平方キロメートルとなった。シェールガスの開発地域は主に四川盆地やその周辺エリアに集中している。
国土資源部と地方政府
国土資源部は湖南省常徳鉱区で50キロメートルの二次元地震探査を実施し、予備探査井(慈頁1)を掘削したが、得られたガス量は0.95立方メートル/トンと少なかった。国土資源部は、承徳、チャイダム盆地、松遼盆地でもシェールガスの探鉱評価を行った。
貴州省政府は2013年に1.5億元をかけて、同省の黔北、黔西などの4地域で地質調査や資源評価を行い、合計26本の地質調査井を掘削し、開発有望エリアを選定した。
ペトロチャイナ
2013年末、長寧-威遠、昭通の2つの国家級シェールガス実証区、富順-永川の外資との開発協力区で、二次元地震探査4411キロメートル、三次元地震探査359平方キロメートルを実施し、50本の坑井(垂直評価井23本、水平井27本)、ガス採取テスト井33本(垂直評価井16本、水平井17本)を掘削。10本の坑井でシェールガスをテスト採取し、商用シェールガスを累計7922万立法メートル産出した。
2014年第1四半期、長寧実証区の2拠点で連続破砕を実施し、単独坑井の1日平均生産量はそれぞれ10万立法メートル、20万立法メートル以上に達した。ただ、この2拠点の生産量は1日あたり5万立法メートルと少なかった。昭通実証区でも水平井10本を掘削し、1日あたりの生産量は10万立法メートル前後に達した。ペトロチャイナは2014年にこの2つの実証区に100億元を投資し、2015年にシェールガス生産量26億立方メートルを実現する目標を掲げている。
シノペック
四川省の威遠、重慶市の彭水、黔北丁山極造、フ陵焦石壩で重要な発見があった。このうち、フ陵焦石壩では大規模商業開発を実現し、2013年に開発10拠点(水平井30本)を構築し、26本の坑井を掘削した。
2014年には新たに水平井135本を掘削する計画。現在、23本を掘削済みで、1日あたりの生産量は270万立法メートル以上あり、2014年4月末時点のガス産出量は累計3億立方メートル前後に達した。2014年のガス生産量は10億立方メートル以上に達すると見られている。2015年の生産能力を50億立方メートルにする計画を公表している。
中国海洋石油(CNOOC)
中国海洋石油上海分公司が担当する安徽省蕪湖下揚地区のシェールガス探査・開発事業は、2011年12月29日に地震作業を開始し、2012年4月に昌参1井の測量を終え、翌5月にコアボーリングを完了。2013年3月1日、中国海洋石油の国内初のシェールガス探査井である徽頁1(設計深度は3400メートル)の掘削がスタートしている。
延長石油
2013年12月20日までに掘削したシェールガス坑井は累計39本で、うち、垂直井32本、クラスター垂直井3本、水平井4本。破砕を実施したシェールガス井は34本。1日あたりのシェールガス生産量は、垂直井で3000万立法メートル以下、水平井で8000万立法メートル以下である。
その他
第1回シェールガス探鉱権入札で鉱区を落札した企業を見ると、河南煤層気は秀山鉱区(重慶~貴州~湖南)で2本の深堀坑井の掘削準備を行っており、シノペックは南川鉱区(重慶~貴州)で初の深堀坑井の垂直井から水平井へ掘削を進める作業を完了し、深度は5820メートルに達した。2014年初に15回の破砕を行ったが、ガス採取は思うようにいかなかった。
第2回シェールガス探鉱権入札で鉱区を落札した企業のほとんどが二次元地震探査を完了した。一部企業は深堀坑井の予備掘削段階に進んでいるものの、多くの企業が深堀坑井位置の論証段階にあり、初期探鉱段階にとどまっているのが現状である。(編集担当:金糸猴)
中国のASIACHEMコンサルティングが19日に発表した中国のシェールガス開発状況に関するレポートでは、2014年上半期に中国石油化学工業(シノペック)の「フ陵シェールガス田」(重慶市フ陵区)が大規模商業開発段階に入ったことを大きな進展と評価する一方、中国のシェールガス開発は全体的に見ればまだ初期の探鉱段階にとどまっているとしている。
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2014-07-24 05:00