不良債権が11四半期連続で増加、不動産市場の低迷も一因=中国

中国銀行業監督管理委員会(中国銀監会)は25日、6月末時点における中国の商業銀行の不良債権総額が年初比1024億元(約1兆6800億円)増の6944億元(約11兆4200億円)に達し、11四半期連続で増加したと発表した。また不良債権率は1.08%で、年初比0.08ポイント上昇した。中国新聞社が25日付で報じた。
中国では商業銀行に対し、融資が回収不能になるリスクの小さい順から「正常」、「関注」、「次級」、「可疑」、「損失」の5つに分類するよう規定している。
「関注」は融資金額と利息を返済する能力はあるものの、返済困難となる可能性も存在する融資に分類され、中国では「次級」、「可疑」、「損失」の3つを融資返済に困難が伴う「不良債権」として扱っている。
記事は、「中国経済が下振れし、不動産市場が調整を迫られているなか、銀行の不良債権に関する状況が注目を集めている」と指摘。続けて、中国銀監会の閻慶民副主席の名で発表された文章を引用し、「中国の銀行経営は安定しており、リスクも制御下にある」とする一方、一部の地域では不動産市場の冷え込みによって不良債権の増加につながっていると論じた。
さらに記事は、中国銀監会の尚福林主席が「融資平台(地方政府の傘下で資金調達や投資を行っている会社を指す。不良債権の温床との指摘もある)のほか、不動産市場の冷え込み、生産能力の過剰といった問題を重点的に監視し、信用リスクの拡大を防がなければならない」と語ったことを伝えた。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国銀行業監督管理委員会(中国銀監会)は25日、6月末時点における中国の商業銀行の不良債権総額が年初比1024億元(約1兆6841億円)増の6944億元(約11兆4208億円)に達し、11四半期連続で増加したと発表した。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-07-27 11:00