イワキは13年4月高値突破、今期業績上振れの可能性で水準切り上げ
医薬品・医薬品原料商社のイワキ <8095> の株価は、7月7日の業績増額修正発表を好感する形で7月8日に264円まで急伸し、13年4月高値241円を一気に突破した。その後は利益確定売りに押される形だが、以前の200円近辺のモミ合い水準まで回帰することなく、概ね220円近辺で推移している。指標面の割安感も支援材料であり、好業績を評価して水準を切り上げる展開だろう。
1914年創業の医薬品商社で、医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品OEM製造)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品の製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントOEM製造)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売)を展開している。
全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、そしてグループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品など)やメルテックス(表面処理薬品など)というメーカー機能を併せ持つことが強みであり、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化している。ジェネリック医薬品・原料関連の市場は拡大基調であり、中期的に収益拡大が期待される。
7月10日に発表した今期(14年11月期)第2四半期累計(12月~5月)の連結業績(7月7日に増額修正)は、売上高が前年同期比4.1%増の267億36百万円、営業利益が同28.1%増の6億14百万円、経常利益が同4.2%増の5億81百万円、純利益が同7.0%減の3億18百万円だった。医薬品事業で外皮用剤などのジェネリック医薬品、化成品事業でチップ部品向け薬品などが好調に推移して営業利益を押し上げた。営業利益と経常利益は減益見通しから一転して増益となり、純利益は減益幅が縮小した。
セグメント別の営業利益(全社費用等調整前)を見ると、医薬品は同2.9倍の1億42百万円、医薬品原料・香粧品原料は同5.2%減の4億76百万円、化成品は68百万円(前年同期は26百万円の赤字)、食品原料・機能性食品は同16.0%減の1億62百万円、その他は同52.0%減の30百万円だった。
通期の見通しについては前回予想(1月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比1.0%増の530億円、営業利益が同0.8%減の10億円、経常利益が同4.7%減の11億円、純利益が同13.9%減の6億50百万円としている。配当予想については前回予想から1円50銭を増額修正(7月10日発表)した。第2四半期末に創業100周年記念配当1円50銭を実施して年間7円50銭(第2四半期末4円50銭、期末3円)とした。前期との比較で1円50銭の増配となる。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が61.4%、経常利益が52.8%、純利益が48.9%である。消費増税の反動影響など不透明感が強いとして通期見通しを据え置いているが、営業利益の進捗率は高水準であり、通期増額修正の可能性があるだろう。医薬品事業では、ジェネリック医薬品や自社企画PB商品が好調に推移して、数量増効果が期待される。前期低調だった化成品事業も、プリント配線板や車載部品向けの薬品が好調に推移して、営業損益の一段の改善が期待されるだろう。
事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業では共同開発・受託品の拡大およびドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発・提案強化、医薬品原料事業ではシェア拡大およびインド・グレンマーク社との提携など海外サプライヤーとの連携強化、化成品事業では岩城製薬の生産能力増強と新製品投入、およびメルテックスの海外(タイ、韓国、中国)への展開強化や日立化成 <4217> とのアライアンスによる拡販などを推進している。
株価の動きを見ると、200円~205円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だったが、7月7日発表の第2四半期累計業績の増額修正を好感して7月8日に264円まで急伸し、13年4月高値241円を一気に突破した。その後は利益確定売りに押される形だが、以前のモミ合い水準まで回帰することなく、概ね220円近辺で推移している。好業績を評価して水準を切り上げる動きだろう。
7月25日の終値224円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円24銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は3.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS499円78銭で算出)は0.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなりそうだ。強基調に転換した形であり、指標面の割安感も支援材料として水準切り上げの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品・医薬品原料商社のイワキの株価は、7月7日の業績増額修正発表を好感する形で7月8日に264円まで急伸し、13年4月高値241円を一気に突破した。
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2014-07-28 09:30