物価はこれから先、上がり続けるのですか?=為替王
Q: 物価はこれから先、長い目で見れば上がり続けるのですか?
A: 物価上昇のニュースが目に付くため心配されている方も多いと思いますが、おそらくこの傾向は早ければ今年夏まで、遅くとも今年度いっぱいくらいでしょう。
Q: なぜ、そんなことが言えるのですか?
A: 今から1年前まで、物価下落(デフレ)が続いていました。デフレは物価が下がるので良いことのように思われがちですが、給料や年金の受取額なども下がってしまうため、なんとかしてデフレを克服しようと、昨年から政府や日銀がいろいろと手を打ってきました。
Q: その効果は出ていますか?
A: はい。昨年秋に、物価(変動の激しい生鮮食品やエネルギー価格を除いた全国消費者物価指数)はマイナスからプラスに転じました。ただ、昨年度は一貫して物価上昇率は1%以下に留まり、デフレを克服できたかどうか微妙な状態でした。
Q: 今はもう完全にデフレを克服できましたか?
A: 今年4月からようやく物価上昇率が2%を超えてきました。消費税増税の影響もあると考えられますが、今のところ3カ月連続で2%以上の物価上昇率を保っています。デフレから脱却したと考えてよさそうです。
Q: デフレから脱却できたのは良いとして、今後も物価が上がり続けるのでしょうか?
A: 繰り返しになりますが、物価上昇傾向は早ければ今年夏まで、遅くとも今年度いっぱいでひとまず小休止と見ています。
Q: なぜですか?
A: 物価上昇率は前年比で計算されるのですが、現在発表されているのは、デフレが続いた昨年までの下がりきった物価がベースになっているため、大幅に上昇しているように錯覚してしまいますが、今年秋以降は変わります。
Q: 何が変わるのですか?
A: 今年秋からは昨年秋にプラスに転じた物価がベースになり、来年春からは今年春にさらにアップした物価がベースになります。よって特別な要因がなければ、今後数カ月から1年くらいの期間で見て、物価上昇率は頭打ちになって鈍化しやすいと考えられます。(執筆者:為替王)
Q: 物価はこれから先、長い目で見れば上がり続けるのですか?
economic
2014-07-28 13:00