中国高速鉄道、世界進出が加速・・・次なる課題は、先進国による規格の独占打破=中国メディア

中国メディア・人民日報海外版は28日付の紙面に、トルコでの高速鉄道建設をはじめ、鉄道建設分野における中国企業の世界進出が加速している背景について伝える記事を掲載した。
記事は、25日に開通したトルコのアンカラ―イスタンブール間の高速鉄道路線建設が、中国企業にとって初めて完成した海外での電化高速鉄道プロジェクトであると紹介。技術のハードルが高い「準欧州」のトルコで成功した意味の大きさを伝えるとともに、今年に入って中国企業による国外鉄道関連の受注額が1000億人民元(約1.6兆円)を突破し、下半期にはさらに増加する見込みであるとした。
また、4月にはベネズエラでの高速鉄道建設プロジェクトが着工、ブラジルやアルゼンチンでは中国製客車が導入されるなど、中国の鉄道技術が南米で花開いていることを紹介。その背景について西南交通大学の専門家が、「世界最大規模の高速鉄道ネットワークを持ち、管理経験が豊かであり、安全かつ快適」であることや、製造コストが欧州や日本に比べて30-50%低いことを挙げて解説したことを伝えた。
記事はさらに、去年から今年にかけて習近平国家主席や李国強首相が東南アジアやヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカを歴訪するなかで中国の高速鉄道技術を宣伝してきたとし、高速鉄道が中国外交の新しい「名刺」になっているとも解説。
そのうえで、高速鉄道の海外進出は「国内の材料、機械設備などの産業の輸出を後押しすると同時に、保有外貨を使用することで中国による対外投資を増やすことにもつながる」とし、輸出相手国にとっても中国自身にとってもメリットになるプロジェクトであるとする、ボアオアジアフォーラム事務局長の周文重氏による分析を伝えた。
一方、今後の課題として「特に先進国や地域に進出するばあい、技術障壁の問題を解決しなければならない。一部の高速鉄道規格は先進国の独占状態にあるため、速やかな『中国標準』の普及推進が待たれる」とする専門家の意見も紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供、7月1日中国国内で撮影されたもの)
中国メディア・人民日報海外版は28日付の紙面に、トルコでの高速鉄道建設をはじめ、鉄道建設分野における中国企業の世界進出が加速している背景について伝える記事を掲載した。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供、7月1日中国国内で撮影されたもの)
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2014-07-28 22:45